『スカーレット』イッセー尾形「ええよ」で草刈正雄超えへ

日刊大衆

※画像はNHK『スカーレット』番組公式ホームページより
※画像はNHK『スカーレット』番組公式ホームページより

 戸田恵梨香(31)がヒロインの喜美子を好演している『スカーレット』。喜美子が絵付け師見習いとなり、いよいよ職業ものドラマとしても面白くなってきた。ここでは11月16日の放送を振り返り、今後の見どころについて考えてみたい。

 焼き物絵師のフカ先生こと深野(イッセー尾形/67)についていく、と心に決めた喜美子。その頃、常治(北村一輝/50)は偶然、深野と居酒屋で遭遇する。女性が絵付けをやりたいといっているがすぐに諦めるだろうという深野の言葉に、それが自分の娘の話だと察した常治は反論して……。

 この週で注目を浴びたのは、フカ先生を演じるイッセー尾形だ。フカ先生は、イッセー尾形らしいコミカルな言動が多く、文句なしの愛されキャラ。この日の放送でも独特の存在感を放っていたが、前日の11月15日の放送では、戦争に従軍絵師として戦地に送られた過去や絵師としての喜びを喜美子に語るシーンで、台本3ページに渡る長ゼリフを披露。フカ先生が笑いだけでなく「感動」でも魅せられることを証明してみせた。この先週の活躍を見て、思い出すのが『なつぞら』の泰樹(草刈正雄/67)だ。

 実はここ最近の朝ドラは、老人が注目を集めている。昨年下半期の『まんぷく』はヒロイン福子(安藤サクラ/33)の母親役、鈴を演じた松坂慶子(67)が、最後の最後までドラマを盛り上げた。我が強くチャーミングな鈴は、間違いなくドラマ全体をしっかりと支えていた。

 そして前作『なつぞら』で、ヒロインなつ(広瀬すず/21)の育ての祖父、泰樹を演じた草刈正雄が、たくさんの感動シーンを生み出したのは記憶に新しい。このようにシニア層が第二の主役ともいえる大役を務めてきた朝ドラで、祖父母役がいない『スカーレット』では誰がこの役割を果たすのかずっと気になっていたのだ。

■これからの朝ドラは老人が第2の主役

 そこで登場したのが、大阪編の大久保さん(三林京子/68)だった。喜美子を叱咤激励、厳しい姿勢でいっぱしの女中に育てあげた大久保さんは、まさに喜美子の大阪の母であり良きおばあさん役だった。と、すれば喜美子の師匠として深いつながりを持つ、イッセー尾形が演じるフカ先生はおじいさん役だろう。

 そんなフカ先生を演じるイッセー尾形が、11月16日放送の『土曜スタジオパーク』(NHK)に登場した。「フカ先生はどういう人か」と問われたイッセイ尾形は「いて邪魔にならない人」と即答。けっして自己主張はしないで、まわりの人々のすべてを受け容れる。彼の名調子、「ええよ」は適当なセリフではなく、度量の大きな男だからこそのセリフであることが分かった。

 愛らしさとともに包容力もたっぷりと、多面的な魅力を持つフカ先生。こんな役を演じられるのは、イッセー尾形しかいない。『なつぞら』の泰樹はそのダンディさと厳しさで視聴者の心をつかんだが、フカ先生はその愛らしさと、たまに見せるシリアスな演技のギャップで、たくさんの見どころを作ってくれるはずだ。フカ先生の「ええよ」が泰樹おんじのインパクトを超えるとき、このドラマは名作と呼ばれる作品になるだろう。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

※画像はNHK『スカーレット』番組公式ホームページより

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