長嶋&王が授ける「侍ジャパン日本代表」東京五輪「金メダル取り」秘策

日刊大衆

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 11月16、17日と連戦になった韓国戦に勝利し、プレミア12を制した侍ジャパンこと野球日本代表。国際大会での優勝は、2009年の第2回WBC以来、実に10年ぶりのことだ。

「中継の瞬間最大視聴率も29.6%(ビデオリサーチ・関東地区)に達するなど、野球人気の高さを証明しましたね。代表を率いた稲葉篤紀監督の評価も、ウナギ上り。NPB首脳は大喜びで、来年の東京五輪では、是が非でも金メダルを取れとハッパをかけているといいます」(スポーツ紙デスク)

 日本はプレミア12で、台湾ラウンド、東京ラウンドを通じて7試合し、6勝1敗と圧倒的な強さを見せた。今大会の出場国がそのまま、東京五輪でもライバルとなるため、一見すると金メダルは“当確”にも思える。しかし……。

「五輪では選手枠が4人減り、24人になります。プレミア12は“全員野球”で優勝したため、稲葉監督にしてみれば、4名減は頭が痛いところでしょう。試合中のアクシデントでケガ人が出ることも想定すると、1つのポジションしか守れない選手より、内野ならどこでも守れるとか、内外野を守れるといった“つぶしのきく選手”を選出しなければならなくなるでしょうね」(球界関係者)

 こうした事情から、稲葉監督の掲げる機動力野球の象徴となった“韋駄天”周東佑京(ソフトバンク)のような選手は、諦めざるをえなくなるという。

「11日のオーストラリア戦では、代走に出るや二盗、三盗を決め、勝利の原動力となった周東ですが、バッティングは期待できない。ある程度打てる選手でないと、24人枠の五輪では代表に呼べないでしょう。一方で、走攻守がそろった器用な源田壮亮(西武)や、内外野を守れてホームランも打てる外崎修汰(西武)のような選手が、重宝されるわけです」(前同)

 新たに“メジャー組”に加わるメンバーが出たことも、頭痛のタネだ。

「メジャーは原則的に五輪に選手を派遣しませんので、メジャーリーガーを代表入りさせるのは、難しくなります。したがって、メジャー挑戦を表明している秋山翔吾(西武)、菊池涼介(広島)、山口俊(巨人)は、五輪には出場できなくなる可能性が高いでしょう」(同)

 それでも、プレミア12の編成から、大きな路線変更はないと予想される。野球解説者の黒江修透氏が言う。「おそらく、優勝メンバーから大きく変えることはないでしょう。多少の入れ替えはあるとしても、今回のメンバーを軸にオーダーを組んでいくでしょうね。打順も4番は鈴木誠也(広島)でいいと思う。2番に坂本勇人(巨人)を置いて、3番は山田哲人(ヤクルト)でいいのでは」

■“五輪には魔物が潜む”

 一方、評論家の里崎智也氏は、「来年の6月頃に調子を大きく落としていたら、代表入りは難しい。調子のいい選手を代表に呼ぶべき」と指摘する。さらに、「メジャーリーガーが出ないということは、多くのチームは“2軍”ということ。1軍の選手がそろえられる日本や韓国は有利ですよ。ふだん通りの野球をやれば、黙っててもベスト4まではいく。普通にやっていれば優勝できるでしょう」と、太鼓判を押す。

 ただ、“五輪には魔物が潜む”というのも事実のようだ。NPB関係者が打ち明ける。「優勝したあとの、稲葉監督の表情はうれしいというよりも“ホッとした”ものでした。歴代の代表監督にかかる重圧は、ハンパなものではありませんでした。ましてや、自国開催の五輪ともなれば、想像を絶する重圧がかかるでしょう」

 これは、“球界のレジェンド”ONこと、長嶋茂雄氏、王貞治氏とて例外ではなかったという。

 ベテラン記者が述懐する。「ミスターは、現役の頃から大舞台で緊張するということを知らない人でした。ノムさん(野村克也)の“ささやき戦術”が唯一、通用しなかった選手でしたからね(笑)。そのミスターが、2004年のアテネ五輪で日本代表を率いていたときの話です。予選初戦の前日、ホテルのミスターの部屋を日本チーム団長の長船(騏郎)さんが、激励に訪れたそうです。部屋をノックしても応答はなし。再度ノックすると、“どうぞ”とミスターの声がする。で、長船さんが部屋に入ると、真っ暗。目を凝らすと、椅子に座って一点を見つめるミスターの姿があったそうです。一人で瞑想していたわけです。長船さんはビックリして、“出直します”と言って部屋を飛び出たそうですよ」

 また、こんな話も。「アテネ五輪の予選を無事突破したので、長嶋さんに話を聞きに行ったんです。すると、長嶋さんが真顔で“予選を通過できるかどうか、生まれて初めてプレッシャーを感じた”と言ったんです。この後、長嶋さんは脳梗塞で倒れてしまい、五輪本戦を中畑(清)さんに任せることになったわけですが、五輪のプレッシャーで病魔に倒れた可能性もあるのでは……」(前同)

■長嶋と王、それぞれの思い

 16年7月に読売新聞に掲載されたインタビューでは、長嶋氏本人が五輪への思いを打ち明けている。〈やっぱり、オリンピックに出るつもりが、前からもう、あったから。オリンピックならなんでもかんでも、すべてやりたいという気持ちがあった。(中略)病気でもね、絶対出られるだろうと。僕はそういう気持ちでいましたよ。けがしても、病気になっても、絶対にオリンピックには出られる、というつもりでいましたからね。最後の最後まで行くつもりでいたの〉

 惜しくも銅メダルに終わったアテネ五輪だったが、長嶋氏は脳梗塞で不自由な体で成田空港まで出向き、帰国した選手一人一人をねぎらったという。

「06年の第1回WBCで代表を率いた王さんも、すさまじいプレッシャーと戦っていました。見事、優勝を果たしますが、大会後、“もう二度と代表監督はやりたくない”と言っていましたから。王さんも大会後に胃の摘出手術をやっています。まさに、命がけで指揮を執っていたわけです」(前出のベテラン記者)

 稲葉監督には、重圧をはねのけるタフなメンタルを身につける必要があるのだ。

 この続きは11月25日発売の『週刊大衆』12月9日号で。

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