なぜ、落合陽一氏が語る未来は明るいのか (2/3ページ)
衣料品も中国や東南アジアなどコストの安い地域で生産して、輸入するのがメインといえるだろう。となると、上のような現状は、日本人が食料や衣料品を確保するために、他国の水を買っているともいえる。だから、日本も世界の水不足に、間接的にではあるが確実に一役買っていることになるのだと気づいた。
グローバリズムが進めば進むほど、物流も経済活動も国の枠組みを超えて複雑に絡み合うようになる。そうした世界では「干ばつ」や「水不足」といった現象面だけを見ていても、環境問題の本質を理解するのは難しいと落合氏は指摘する。たとえ一部の地域で起きていることであっても、その原因は世界のあちこちに、複合的に存在するかもしれない。この本を読みながら、もし、世界がこうした広い視座にたって水問題に取り組むようになったら、日本は苦しい立場に追い込まれるのではないだろうかと考えた。
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本書では、環境問題や貧困、教育、エネルギー、テクノロジーと経済といった、地球上の様々なトピックについて、今注目を集める「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」を土台に、最新のデータや池上彰氏など識者との対談を通して解き明かしていく。
たとえば、日本でもかねてから叫ばれている「所得格差」は、グローバルに見れば解消される方向に向かっているという※4。中国やインドを中心に中間層の個人所得が大幅に増加しているからである。この流れに取り残されているのは、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の最貧困層と、日本も含まれる「先進国」の「中間層」だ。
どうしてこんなことになったのか。そして今後どうすればいいのか。マクロな視点で世界を見ている本書だが、私たちの実生活に関わるさまざまなことを考えるヒントを得られるはずだ。
普段は世界のことを意識することなく生活しているが、世界の課題やパワーバランスに思いを寄せることではじめて見えてくるものがある。『2030年の世界地図帳』は、そんな世界をファクトや地図で明確に示してくれたように思う。