世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第346回 災害史の日本 (3/3ページ)

週刊実話



 すでにご理解頂いているとは思うが、我が国は「予算や人手不足で防災インフラの整備ができない」のではない。政府が正しく予算を使わないからこそ、人手不足なのだ。

 1997年以降、公共投資を半減させ、指名競争入札や談合を批判。労務単価を引き下げ、人材流出を加速させ、土木・建設の供給能力が著しく弱体化した段階で、
「人手不足だから、公共投資はできない」

 など、通るはずがない。日本という「災害史」の国において、土木・建設の供給能力が毀損したままで構わないのか。

 そんなはずがないのである。

 我が国は、連合王国とは異なり、人びとは歴史的に侵略を前提に生きる必要はなかった。とはいえ、日本人は災害という脅威には、常にさらされていた。それは、今も変わっていない。

 我々にとって、防災投資はヨークの城壁や、エジンバラ城の建設と同じなのである。

 生き残るために、何をするべきなのか。連合王国を初めとするユーラシア諸国は、侵略史。対する我が国は、災害史。人々を脅かす脅威は異なるが、根底は同じであることを理解しなければならない。

 治水を初めとする防災投資を増やさない日本政府は、ヨークの壁を建設せず、エジンバラ城を平地に建てるようなものだ。つまりは、不作為の殺人者なのである。

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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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