歴代総理の胆力「鳩山一郎」(1)吉田茂は「宿命のライバル」 (2/2ページ)

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一方で、ここから鳩山の「不運」が続くことにもなるのである。

 外遊中に書いた旅行記などを対象にされて、まずはパージ(公職追放)にあい、これが解除となる2カ月前には脳出血で倒れるという不運が重なった。加えて、追放に際して自由党の後継総裁に吉田茂を選んだのだが、鳩山は追放解除で政界復帰を果たしたもののすでに政権の座に就いていた吉田は、今度は鳩山を煙たがりだしていたのだった。

 例えば、外交姿勢一つとっても、対米関係重視で臨む吉田に対し、リベラル路線の鳩山には違和感があった。吉田もリベラルではあったが、したたかさでは人の好い鳩山より一枚上、吉田が鳩山を裏切る形で二人は「犬猿の仲」となっていったのだった。

■鳩山一郎の略歴

明治16(1883)年1月1日、東京生まれ。日本自由党結成、総裁に。公職追放・解除後、民主党結成、総裁を経て、内閣組織。総理就任時71歳。日ソ国交回復共同宣言調印後、総辞職。昭和34(1959)年3月7日、狭心症のため死去。享年76。

総理大臣歴:第52~54代1954年12月10日~1956年12月15日

小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。

「歴代総理の胆力「鳩山一郎」(1)吉田茂は「宿命のライバル」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2019年 11/28号鳩山一郎内閣総理大臣小林吉弥吉田茂社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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