安倍VS菅「桜スキャンダル」暗闘の舞台裏(3)内閣府筋から情報がボロボロ…

Asagei Biz

安倍晋三
安倍晋三

 菅官房長官に近い自民党関係者によれば、

「菅原さんも河井(克行)さんも、菅さんが総理に進言する形で閣僚就任が決まった。問題はその際の身体検査。もちろん菅さんの責任もありますが、最大の謎は安倍総理がなぜ、あえてスルーさせたか。実は9月の内閣改造直後から、『新閣僚の中には身体検査で問題のあった者が数名いる』とささやかれていた。つまり安倍総理は知っていたわけです。それが2人の辞任劇として、現実のものとなった」

 推挙した新閣僚が相次いで辞任となれば、ポスト安倍の有力候補の一人とされる菅官房長官の大きな失点となる。しかも2人の辞任は「また安倍ドミノか」と言われながら、政権支持率はそれほど低下することもなかった。まさに「肉を切らせて骨を断つ」とでも言うべき、安倍総理一流の高等戦術だったのではと、菅氏周辺は勘ぐったのだ。

 だが、菅官房長官も黙ってはいなかった。菅原氏が経産相を辞任する前日の10月24日、今度は安倍総理の側近中の側近、萩生田光一文科相(56)がBSフジの報道番組に出演し、大学入学共通テストに導入予定の英語の民間試験について「そこは自分の身の丈に合わせて」と発言して火ダルマに。安倍総理の側近議員の一人は「確かに萩生田さんの失言だが」と前置きしたうえで、こう言うのだ。

「問題は、失言後の菅さんの対応。本来ならば安倍総理の女房役として防波堤になるべきところを、定例会見でも『発言の趣旨は承知していない』と実に素っ気なかった。結局、萩生田さんは国会で釈明と謝罪に追われ、英語民間試験も見送りとなったが、この間、菅さんは『業者名なども含めて資料をしっかり出せ』などと文科省にハッパをかけていたようです」

 こうした謀略が交差する中で飛び出したのが「桜スキャンダル」だったのだ。火をつけたのは共産党だが、やはり菅官房長官の「その後の対応」に不審の目が向けられているという。側近議員が続ける。

「『桜を見る会』の所管は内閣府。その内閣府をはじめ、事実上、各省庁の幹部人事権を掌握しているのが菅さんだ。今回の一件では招待客の名簿こそ廃棄されたとして公になっていないが、安倍総理や昭恵夫人の招待枠の存在など、内閣府や官邸筋から情報がボロボロ出てきている。政治の世界では、事態を傍観することがブラフと受け取られることもある。安倍総理の胸中にも今、そんな疑心暗鬼が渦巻いている」

 ポスト安倍を巡っては、安倍総理と袂を分かった石破茂氏(62)が意欲を示しているほか、二階幹事長もキングメーカーとしての座を狙っているとされる。自民党大物議員は、そんな永田町タヌキらが繰り広げる抗争劇を次のように形容している。

「相撲に例えるならば、まずは安倍さんと菅さんが土俵上で金玉を握り合っている。横にいる岸田さんは両者の金玉を握ってはいるものの、逆に2人からも握り返されている。さらに土俵の下からは石破さんがマジックハンドで3人の金玉を握ろうと手を伸ばし、行司役の二階さんが誰のモノが潰されずに残るかじっと眺めている、という図だ。あの人は勝ち馬に乗るタイプだからね。これがホントの玉の輿だよ」

 潰すか潰されるか。権力闘争を繰り広げる策士たちの股間から目が離せない。

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