「ハードワークは善」は本当か?加齢とパフォーマンス低下の本当の関係 (2/2ページ)

新刊JP


サッカーのロシア代表、韓国代表などで選手のコンディション調整を担当し、マンチェスター・シティFCの主任トレーナーも務めたレイモンド・フェルハイエン氏は、シーズン中の練習量を減らすことで、チームの故障者を減らすことに成功した。

特に効果を発揮したのは、ベテラン選手だ。健康であればプレミアリーグでも屈指のフォワードだが、ハムストリングの故障が多くシーズンを通して活躍することができていなかったクレイグ・ベラミーは、試合出場を週に1試合に制限し、練習中のトレーニングを大幅に減らしたことで、いいコンディションをキープできるようになったという。

故障を防ぐには疲労をためないこと。故障に弱く、回復も遅くなりつつあるベテラン選手にハードワークは逆効果なのだ。

ただ、スポーツの世界にはびこっているのは、「ハードなトレーニングを重ねること」への信仰にも似た妄信だ。これは日本でスポーツを経験した人であればうなずける話だろうし、本書からは、アメリカやヨーロッパでも同様であることがうかがえる。

そしてこれはプロスポーツの世界だけの話ではない。草野球やマラソン、テニスなどなど、趣味や体調管理の一環としてスポーツを続けている一般人も、競技を通して衰えを自覚しはじめると、トレーニング量を増やすことで克服しようという思考になりがちだ。これでは結果的に、ケガによってスポーツそのものができなくなってしまうことになりかねない。

表紙

若い時には若い時の、年齢を重ねたらその年齢に合ったパフォーマンス維持の方法がある。大切なのは自分の体と向き合って、今の自分に合ったコンディショニング法を見つけること。加齢に逆らうのではなく、加齢を味方につけるコンディショニングだ。本書はそんなことを教えてくれる。

(新刊JP編集部)

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