直木賞作家も舌を巻く『十二国記』のスゴさ (2/4ページ)

新刊JP

最初に『十二国記』を読んだ10代の頃の自分を巡る状況や気持ちも一緒に蘇ってきて、時間を超えて好きでいつづけることができる作品があるということの幸せを堪能しました。著者の小野不由美さんにも改めて感謝を覚えます。

――もう少し読書遍歴をさかのぼって、物心ついてからはじめて熱中した本を教えていただきたいです。

辻村:小さい頃から絵本は読んでいましたが、物心ついてからということだと江戸川乱歩やコナン・ドイル、アガサ・クリスティー、ガストン・ルルーなどの児童向けに翻訳されたミステリだと思います。

物心ついた時にはすでに本が大好きだったのですが、学校の図書室の本をやみくもに借りて読んでいくなかで、自分がある種類の本を読むとすごくワクワクすると気づいて、それがミステリだったんです。

――江戸川乱歩は私もはまりました。ポプラ社から出ていて、おどろおどろしい挿画が入っていましたね。

辻村:『少年探偵団』シリーズから入って、大人向けの乱歩の世界を読み始めた時の、背徳感と隣り合わせな読書の体験も、その後の自分に大きな影響を与えてくれたと感じています。

――辻村さんと同じように私もミステリが好きだったのですが、そのせいか「謎」や「事件」がない本のおもしろさを理解したのはだいぶ後になってからだったように思います。

辻村:わかります(笑)。私も謎や真相への驚きがなければ物足りない、と感じる種類の読者だったのですが、他のジャンルの本でも、夢中になれるものには誰かの秘密があったり、その作中での「真相」のようなものがある。ミステリでない本にも、ミステリとしての楽しみと読みどころを探せている気がして、ある意味、得な読み方ができているかもしれないです(笑)。

――辻村さんが人生で影響を受けた本を3冊ほどご紹介いただきたいです。

辻村:藤子・F・不二雄先生の『ドラえもん』と、綾辻行人さんの『十角館の殺人』、あとは岡崎京子さんの『リバーズ・エッジ』かな?

――劇場版の『ドラえもん』でどれが一番好きですか?

辻村:それは一つ選ぶのが難しい……。どれを答えても「ああっ、でもあの作品も!」となりそうで。

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