世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第348回補正予算と総定員法 (3/3ページ)
もっとも、公務員を増やすのは構わないのだが、プライマリーバランス黒字化目標がある限り、「公務員を増やすならば、他の予算を削れ」という政策にならざるを得ない。
加えて、現在の日本の公務員雇用には、総定員法(行政機関の職員の定員に関する法律)の縛りがかかっているのをご存じだろうか。総定員法は、ずばり「法律」で国家公務員の人数の上限を定めるものだ。
〈第一条 内閣の機関(内閣官房及び内閣法制局をいう。以下同じ。)、内閣府及び各省の所掌事務を遂行するために恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤の職員の定員の総数の最高限度は、三十三万千九百八十四人とする。〉
総定員法がある以上、就職氷河期世代を国家公務員として雇うと、「その分、他の職員を削れ」という狂った話になってしまう。信じがたいだろうが、これが「緊縮の王国」日本の実態だ。
というわけで、国民は政治に対し、「補正予算を組むならば、供給能力が回復するように長期の複数年度の予算化をせよ」、「国家公務員を増やすならば、同時に緊縮前提の総定員法を改定せよ」といった「突っ込み」をしなければならないのである。さもなければ、補正予算も氷河期世代の公務員雇用も、「状況をより悪化させるために利用される」のが、現実の日本なのである。
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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。