海外では意外なほど多くの医師がプラセボ(偽薬)を処方しているという現実 (2/3ページ)
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・アメリカやドイツでは更に多くのプラセボが処方されていた
だが、これは事実のほんの一部分に過ぎない。他の国でもプラセボは多用されているのだ。
たとえばアメリカの内科医とリウマチ専門医を対象にした2008年の調査では、ほぼ半数が定期的にプラセボを処方していることが明らかになっている。
さらに2012年のドイツの蝶さでは88パーセント、イギリスの2013年の調査では、じつに97パーセントの医師が1度はプラセボを処方したことがあると答えているのだ。
全体としては、地域やプラセボの種類にもよるが、17~80パーセントの医師がプラセボを使用しており、プラセボとは想像以上に一般的なものであることがよくわかる。
・病は気からは本当だった?
オーストラリアで調査を行ったシドニー大学のグループは、プラセボの使用について理にかなったことだと指摘している。
単なる風邪や胃の痛みといった症状は、どのような治療を行っても治りが早くなったりはしないのがしばしばだ。ところが、プラセボを使うと実際に気分を良くすることができるのだ。
だが、事前にわざわざプラセボと伝えてしまえば、患者はそれを飲んでくれないかもしれない。効くと信じているからこそ効くのがプラセボ効果というものだろうからだ。