強くても横綱になれない?大関から横綱になれる「横綱昇進の基準」は厳しい!

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強くても横綱になれない?大関から横綱になれる「横綱昇進の基準」は厳しい!

現在の「横綱昇進の基準」は厳しい!

2019(令和元)年12月の時点で、大相撲の横綱は白鵬・鶴竜の2名です。
横綱になるための基準は、現在ではこのようになっています。

・大関であること
・2場所連続優勝か、それに準ずる成績

横綱になる条件として「大関であること」は、まあ当然のことかもしれません。
しかし「2場所連続優勝か、それに準ずる成績」とは、かなり曖昧な表現ですよね。

第65代横綱・貴乃花光司さんは、大関だった1993(平成5)年5月場所に14勝1敗で優勝、次の7月場所では13勝2敗で優勝決定戦で敗れ優勝同点となりましたが、横綱に推挙されることはありませんでした。

さらに1994(平成6)年も、5月場所14勝1敗で優勝、7月場所11勝4敗、9月場所では全勝優勝を果たしたにもかかわらず「大関で2場所連続優勝という内規を満たしていない」という理由で、昇進が見送られました。

大横綱でも2度も横綱昇進を見送られていたなんて、当時は「2場所連続優勝」が相当厳格な条件とされていたのですね。

近年緩和される「横綱昇進の条件」

しかしその後、大関以上の力士の力が均衡し、連続優勝する力士がなかなか現れない状況となりました。白鵬が横綱に昇進した2007(平成19)年7月場所から2012(平成24)年11月場所の日馬富士の横綱昇進までは、実に5年以上。

このままでは、新しい横綱が誕生しなくなるのでは!?

日本相撲協会もこの状況を危惧したのか、鶴竜は2014(平成)年1月場所で14勝1敗・優勝決定戦で敗れ優勝同点、3月場所で優勝という成績で横綱に昇進しています。

この基準を適用すれば、「優勝次点→優勝」という成績で2017(平成29)年3月に昇進した稀勢の里も、一部の人々が辛口批判するような「大甘昇進」ではなかったことになります。

横綱昇進の基準が厳しくなったきっかけとは?

横綱昇進の条件は、昔からずっとこのように厳しかったわけではありません。第30代横綱・西ノ海、第38代横綱・照國のように、優勝なしのまま昇進した横綱も複数存在しました。

それが一気に厳しくなったのは、優勝なしのまま将来性を期待されて横綱となった双羽黒の(破門同然の)廃業事件からでした。

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この事件で「双羽黒の横綱昇進は甘すぎた」とされ、横綱昇進は「2場所連続優勝か、それに準ずる成績」という厳格な内規が適用されるようになったのです。

実際には「それに準ずる成績」で横綱に昇進する例はなく、先述の貴乃花以外にも旭富士、白鵬のように「2場所連続優勝ではないから」という理由で横綱昇進を見送られた経験のある横綱が何人もいた上、小錦や魁皇など「双羽黒以前に昇進を果たした横綱」と同等の成績を残しながら、とうとう横綱にはなれなかった大関も現れました。

双羽黒が相撲界に残した影響は、大横綱並みに大きかったようです。

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