世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第349回緊縮の王国からのエクソダス (2/3ページ)

週刊実話

出向中の財務官僚が、消費税率の引き上げが必要とのレポートを書き、「IMF」の名で公表させたとしか思えない。いわゆる、権威プロパガンダである。

 同じく11月25日、財政制度等審議会が麻生財務大臣に「消費税率10%への引き上げは、財政と社会保障の持続可能性の確保に向けた一里塚にすぎない」との提言を提出。

 11月28日。「全世代型社会保障制度の実現」と銘打ち、政府は75歳以上向け後期高齢者医療制度について、現在の原則1割の窓口負担を、2割に引き上げる方向で検討に入った。

 特に、後期高齢者の窓口負担引き上げは影響が大きい。厚生労働省は、75歳以上の受診時の窓口負担を「原則1割」から「原則2割」に引き上げた場合、公費や保険料でまかなう医療給付費が年額で約8000億円減らせるとの試算を公表している。

 高齢者を狙い撃ちにした、8000億円の「再増税」である。しかも、多くが所得を稼いでいない高齢者の窓口負担が「倍になる」わけだ。

 さすがに、高齢者の窓口負担引き上げは反発が大きいであろうから、そう簡単には実現しないと予想していたのだが、甘かった。

 12月2日、政府が後期高齢者の窓口負担を’22年から2割に引き上げる方針を固めたとの報道が流れた。具体的には、社会保障審議会(厚生労働省の諮問機関)で議論を進め、来年秋の臨時国会への関連法案を提出するとのことである。

 無意味というよりは明らかに「有害」な高齢者の医療費自己負担の「倍増」であるが、これまでの安倍政権や国会の実績を見る限り、普通に通りそうだ。

 無論、国民の(というか高齢者の)反発は高まるであろう。自己負担引き上げによる内閣支持率低下を防ぐため、今後は「後期高齢者 対 他の国民」という争いに持ち込むべく、ルサンチマン・プロパガンダが展開されることになると予想する。

 安倍政権は「全世代型社会保障改革」というスローガンを掲げているが、これは「全世代の国民の社会保障を充実させよう」ではない。「社会保障を建前に、全世代から容赦なく所得や資産を奪おう」という意味であるため、注意が必要である。

 しかも、この「全世代型」という言葉が曲者なのだ。

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