大相撲の「呼出し」にも階級あり!力士を呼び出す以外にも大忙しなんです

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大相撲の「呼出し」にも階級あり!力士を呼び出す以外にも大忙しなんです

取組みを行う力士を呼び出す「呼出し」

大相撲は、力士と行司のほかにも力士の髷を結う「床山」、前相撲の進行や勝負結果の記録と普段の下位力士(幕下以下)の指導・監督などを行う「若者頭」、競技用具の管理や客の世話、若者頭の補助的な仕事をする「世話人」などによって支えられています。

これから取組みをする力士を土俵上に呼び出す「呼出し」も、そんな大相撲を支える仕事の1つです。

「呼出し」とはいっても、ただ取組みを行う力士を呼ぶだけが仕事ではありません。
その実態は、意外と仕事がいっぱいで大忙しのようです!

こんなにあるの!?呼出しの仕事

呼出しが行う仕事は、なんといってもその名のとおり、取組みを行う東西の力士の四股名を呼び上げること。

立呼出の秀男/画像出典:Wikipedia/呼出

大相撲中継を見たことのある方ならまず聞き逃さないであろう「ひが〜し〜、◯の〜は〜な〜、◯の〜は〜な〜、に〜し〜、◯の〜や〜ま〜、◯の〜や〜ま〜」という独特の節回しで呼び上げられますが、東西の力士を呼ぶ順番は奇数日は東方から、偶数日は西方から(1日のみの地方巡業の場合は東が先)と決められています。

その他に「触れ太鼓」「櫓(やぐら)太鼓」「寄せ太鼓」など、大相撲に欠かせない太鼓を叩くのも、呼出しの仕事です。

さらに本場所の取組みや巡業・各部屋の稽古で使われる土俵を作り、その掃除やメンテナンスを行ったり、土俵入りなどで拍子木を打ったり、力士の使うタオル・塩・力水・力紙などの管理・補充を行ったり、負けた力士の代わりに次に相撲を取る力士に力水をつけたり、懸賞の垂れ幕を持って土俵を回ったり、審判員を務める親方や怪我をした力士の世話をしたり、所属する部屋の雑用をしたり…

これらの他にも、まだまだたくさんの仕事があるのです。

また力士が土俵下に落ちてきて当たると大怪我をする危険があるため、土俵下に控えている呼出しは力士の動きをよく見て、必要なときには水桶や塩入れなどを持って逃げることもあるのだとか。

本場所中の呼出しには、休むどころか、ボーッとしている暇すらなさそうですね!

呼出しになるには?呼出しにも階級があるの?

呼出しになるための資格は「義務教育を修了した満19歳以上の男子」と定められていて、これは行司や床山の場合と全く同じです。

日本相撲協会の規定で、呼出しの定員は45名と決められています。

呼出しも行事や床山と同じように相撲部屋に所属し、その部屋の親方が「呼出し会」を通して相撲協会へ申し込みをします。呼出し候補生は1場所の研修期間後に面接を経て、晴れて正式に採用となります。

また力士に「序ノ口〜横綱」、行司には「序ノ口行司〜立行司」という階級があるように、呼出しにも下から順に

・序ノ口呼出し
・序二段呼出し
・三段目呼出し
・幕下呼出し
・十両呼出し
・幕内呼出し
・三役呼出し
・副立呼出し
・立呼出し

という階級があり、十両呼出し以上にはそれぞれ定員が定められています。

呼び上げる取組みの数も階級によって異なり、立呼出しは結びの1番のみ、副立呼出し〜十両呼出しまでは基本的に1人が2番ずつと決まっています。

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