又吉直樹、初の長編小説「人間」を語る(1)「人」ではなく「人間」にこだわる (2/2ページ)
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又吉直樹、初の長編小説「人間」を語る
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オーソドックスなコントは、変な人がいて、それを見たまともな人が、変な人の言動を正していく。でも僕は、変な人を変な人が正していって、話がどんどん変なほうに転がっていくコントをやりたい。関係性のお笑いが好きなんで。だから「人」じゃなくて「人間」です。過去に書いた2冊も、変な人の話ではなくて、人と人との関係性の話やし。そういうのが「人間」というタイトルの理由です。
─3部構成ですが、この構成も最初から決めていたことですか?
又吉 38歳の現在から振り返った20年前の時間と、現在の時間を書きたい、というのは最初から決めていました。それが第1部と第2部です。その後の展開ははっきりと決めていなかったんですけど、小説の中で沖縄か奄美大島に行きたいと思っていて、どうやったら行ける展開になるんやろと思いながら、なんとなく編集者に、「沖縄か奄美、行きたいんですよね」という話をしていました。父が沖縄の、母が奄美大島の出身なんですよ。
─第1部だけでも小説として十分に成立しているけれども、そこにまったくスタイルが違う第2部を重ねたことで奥行きが出ました。そのうえ、さらに第3部を重ねてきた。贅沢な展開です。サービス過剰! とうれしくなりました。
又吉 (笑)そうですか。第3部は「なんなん、これ?」って言われるかなと思ったんですけど、どうしても書きたくて。むちゃくちゃ長いエピローグを書きたいというのが第3部です。
又吉直樹(またよし・なおき)1980年、大阪府生まれ。吉本興業所属の芸人。お笑いコンビ「ピース」として活動中。15年、本格的な小説デビュー作「火花」で芥川賞を受賞。17年には2作目となる「劇場」を発表。
永江朗(ながえ・あきら)書評家・コラムニスト 1958年、北海道生まれ。洋書輸入販売会社に勤務したのち、「宝島」などの編集者・ライターを経て93年よりライターに専念。「週刊朝日」「ダ・ヴィンチ」をはじめ、多くのメディアで連載中。