又吉直樹、初の長編小説「人間」を語る(1)「人」ではなく「人間」にこだわる (1/2ページ)

Asagei Biz

又吉
又吉

 又吉直樹氏の新作「人間」が話題だ。本書は表現者を目指す青年の苦悩と残酷な現実を描いた長編小説である。しかも現実の出来事とシンクロして、読者を激しく刺激する。作品に込めた思いや創作の裏話、そして芸人又吉・作家又吉のこれからについて、書評家・永江朗氏が本音に迫る。

─3作目にして新聞連載ですが、依頼があった時はどう感じましたか?

又吉 どう考えても大変だろう、でも魅力的だなぁと思いました。

─えっ? どういうことですか。

又吉 新聞連載にはライブ感がありますよね。(書けなくなって)休載にでもなったら、どうするんやろとか。そういう怖さも含めて、おもしろそうやな、と思いました。

─実際、ほとんどギリギリの綱渡り的な連載だったそうですね。移動中に空港で書いたこともあるとか。

又吉 インフルエンザにだけは絶対かからんとこうと、体調管理だけは気をつけました。

─新聞連載というのは、作家にとって一流の証しみたいなところがありますね。「ついに俺にも依頼が来たか」みたいな気持ちは?

又吉 ベテランの方が書くイメージがあったんで、やっぱり大層なものという印象はありました。もちろん僕は僕なので、新聞小説を書いたからといって、急に格が上がるわけではないんですが。でも、大御所の方が「人間」というタイトルで新聞小説を書いたら、いよいよ最後の小説みたいに感じる人もいるかもしれないけれど、僕だと、読者も「何を書くんやろ?」ぐらいに思ってくれるんやないかなと。

─第2部には、ボロボロになるまで読み込んだ太宰治の「人間失格」が登場します。タイトルは太宰治の「人間失格」を失格する、という意味ですか?

又吉 「人間失格」というタイトルはおもしろいですよね。人間を失格した状態も人間の中に含まれているんじゃないか、そこまで太宰は踏まえたうえで「人間失格」とつけたんじゃないかとか、いろいろ考えてしまう。どこまでいっても「人間」という言葉をつかみきれない。そこで攻守交代じゃないですけど、「人間失格」から一回、「人間」にしてみる、みたいなことを考えました。

─「人」ではなく「人間」ですね。

又吉 もともと「人間」という言葉が好きで、コントをやる時でもそうです。

「又吉直樹、初の長編小説「人間」を語る(1)「人」ではなく「人間」にこだわる」のページです。デイリーニュースオンラインは、又吉直樹、初の長編小説「人間」を語る吉本興業人間又吉直樹エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る