又吉直樹、初の長編小説「人間」を語る(3)コントライブも毎月やっている (1/2ページ)

Asagei Biz

又吉
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─第2部が核の部分だと思いますし、芸人でもある芥川賞作家・影島という男を、又吉さんと重ねて読む人も多いでしょう。「又吉の本音が出たな」「いやいや、そう思わせる作戦かもしれない」なんて。現実に起きたことも織りまぜられている。読んでいて興奮しました。

又吉 自分でも作品に入り込んでいるなと感じました。ただ、(ネットで執拗に影島を攻撃する)仲野という男を書く時はしんどかったですね。仲野の言葉が影島を通して僕自身にも刺さってくる。自分で書いていても「いやなこと言うな、こいつ」と、思いました。

─もちろん影島イコール又吉直樹ではないのですが、華々しくデビューして順風満帆に見える又吉さんも、バッシングされて気にしたり、ストレスに感じることもあるのか、と読んでいて思いました。

又吉 なかなか、ストレスがあるって言いにくいですよね。「恵まれているのに、そんなこと言うなよ、って思われるやろな」と思うし。「憂鬱な姿みたいなものを見せることが、誰かを苦しめるかもしれんから、平気なフリしとこう」みたいなところがあるんで。影島の憂鬱が僕と同じということではないですけど、影島の気持ちはよくわかります。

─影島の激しい心情と穏やかな又吉さんとのギャップがショックだった、という感想も聞きました。

又吉 僕としては、それがやりたかったことかもしれませんよね。

─今後、お笑いと文学、両者の比重はどうされていく予定ですか。

又吉 半々という感じですかね。小説を書き始める前から半々やったんで。演劇の台本でもエッセイでも、「何でもやれ」という会社なんで。20歳ぐらいからずっとそういう感じで、お笑いと文章をやってきました。コントのライブは毎月やっています。それも「あいつはもう芸人じゃない」と言われへんためにライブをやるんじゃなくて、やりたくてやってるんですよ。芸人であることは、僕にとっては当然のことです。

─もう人生の半分以上を芸人として生きてきたわけですね。

又吉 この仕事は本当に自由というか、好きなことができますし、何やってもいいというのが芸人やと思っているんで。小説を書くとか本を出版するということも、芸人の中に含まれているんやないかなと思うんですよね。

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