雨水から有毒物質を濾過できるミネラルコーティングの砂の開発に成功(米研究)
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カリフォルニア大学バークレー校のエンジニアたちが、ミネラルでコーティングした砂で、水に含まれる鉛やカドミウムのような有害な金属を吸収することに成功したそうだ。
金属だけでなく、ビスフェノールAのような有機化合物も破壊してくれるので、これまで利用されることのなかった雨水を濾過(ろか)し、水不足を解消できる可能性が高いと期待がもたれている。
・これまで雨水が利用できなかった理由
アメリカ・ロサンゼルスのような地中海性気候の都市では、湿度の高い冬の間に地下に雨水を溜めておき、乾季がきたらそれを水資源として利用できればそれに越したことはない。
ところが、実際にやろうと思うと大きな壁が立ちはだかる。雨水には、通りや排水路を流れるうちに、有害な汚染物質が混ざってしまっているからだ。
そうした汚染物質には、たとえば車の有鉛ガソリンから排出され何十年も蓄積されたままになっている鉛粒子や、芝に使われる殺虫剤などがある。
こうした化学物質は、子供の神経発達遅延やがんの原因になるので、雨水の利用が進まないのも当然なのだ。

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・ミネラルでコーティングした砂をフィルターとして利用
今回開発されたミネラルコーティングされた砂ならこの問題をクリアできる。
この砂を公園や駐車場などにまいておく。すると砂が雨水を濾過し汚染物質が除去される。きれいな水は地下の帯水層へと流れつくので、あとは必要に応じて、汲みあげればいい。
コーティング剤は酸化マンガンという、土の中で自然に形成される無害なミネラルだ。研究グループの推定によると、そのフィルター効果は10年以上も保つそうで、水が乏しく、わざわざ買わねばならない都市部などで有効だろうとのことだ。

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・アスファルトで覆われた街の地中に再び雨水を
「昔なら雨水は土の中に浸透して、帯水層に溜まりました」と研究著者の1人、デビッド・ゼードラク教授は話す。
「しかし私たちが道路や建物のような硬いもので地面を覆うようになって状況は変わりました。水不足の都市は、いかにして雨を地面に戻すべきか検討していますが、その水質は懸念すべきものです。私たちが開発したコーティング砂は地下水の水質を悪化させている主要な汚染物質を2つも取り除くことができます。」
研究グループはすでにロサンゼルスやソノマといったカリフォルニア州の都市で大規模な試験を実施しており、その有効性の確認を行っている最中であるそうだ。
この研究は『Environmental Science: Water Research & Technology』(12月11日付)に掲載された。
References:Sustainable sand gives pollution a one-two punch | Berkeley Engineering/ written by hiroching / edited by parumo