谷川真理が指南!「ゼロから始めるランニング」講座

日刊大衆

谷川真理
谷川真理

 健康的な体と充実した人生が手に入るランニングは、50歳を過ぎてから始める人が急増中。運動不足の中高年でも、無理なく走れる秘訣を徹底取材した!

 走ってはみたいが、何から始めればよいものか。そこで、『週刊大衆』が頼ったのは東京国際女子マラソン優勝など輝かしい実績を持つ谷川真理氏。

「仕事で土・日しか走れないけど、フルマラソンに挑戦するという方は非常に多い。ちゃんとトレーニングすれば、1年後には42.195キロ完走も可能ですよ」なんとも頼もしい。続いて、初心者でも失敗しないトレーニング法を指南する。

「いきなり頑張りすぎるのは、ケガのもと。まずは歩くことから始めましょう。通勤時に自宅最寄り駅の1つ先の駅まで歩いて乗る、帰りは2〜3個手前の駅で降りて、歩いて帰るなど。日常的に始められることからやりましょう」(前同)

 そのほか、階段をなるべく使う、自転車を立ちこぎするのも効果的だという。

「通勤時間を利用して、電車内でつま先立ちを20〜30回とか。こうしたちょっとした運動を習慣化して、体のいろいろな部位に刺激を与える生活を、まずは1か月間続けましょう」(同)

 こうして運動する生活に慣れてきたら、いよいよスタートラインに立てる。

「まずは、走れる筋肉をつけるためのトレーニングです。最初は、“ウォーキング30分→5〜10分の小走り→ウォーキング”を1セットで1時間。小走りは、早歩きの延長のような感じで、人と話しながら走れるくらいが目安。心臓がバクバクするような、呼吸が苦しくなる激しい走りはダメです。慣れてきたら、小走りの時間を少しずつ長くしましょう。走りたくなりますが、ここで走りすぎてはいけません」(同)

 また、ランニングに適した場所はというと、

「平坦な道ばかり走ると、体に刺激が入る部分が、いつも同じになってしまうので、坂道があれば、大いに利用して。より時短で効率の良いトレーニングができます。その他、スクワットや、空気椅子を30秒間というのもオススメ。大腿四頭筋を鍛えます」(同)

■初心者用厚底靴で衝撃を吸収!

 トレーニングを始めると、ランニングシューズにもこだわりたくなるもの。

「走るとなると、足に与える衝撃も大きいんです。ランニングの場合は、自分の体重の3倍の負担が足にかかります」(同)

 それゆえ、靴選びは重要。「しっかりしたものをはいていないと、足首、膝の故障だけではなくて、骨盤、背骨など体全体のバランスを崩してしまいます」こう語るのは、人気スポーツブランド「アンダーアーマー」でシューズ開発に携わる松原恵治氏。選び方のポイントを教えてくれた。

「初心者が選ぶべきは厚底のランニングシューズ。さらに、左右が固く補強されて、足がブレにくい靴から選ぶといいと思います」

 昨今、専用シューズは種類も多い。大手スポーツショップ『スポーツオーソリティ 赤羽店』に、店での靴選びのコツを聞いた。

「メーカーが出している商品は、カジュアルからトップ選手用まで多種多様です。その中で、初心者対応のシューズとなると、当店では、“セーフティクッション”と“クッション”の表示をしています。参考価格で1万円前後、セールでは割安商品も多いです。その価格帯から好みで選んでいただければ、大丈夫ですね」

 また、谷川氏はシューズについての盲点を指摘する。

「ピッタリちょうどのサイズだと爪を痛めます。かかと側に足をしっかり寄せて、つま先のほうに指1本入るくらいのシューズがベスト。5ミリ〜1センチ余るくらいがいいですね。あとは、靴紐で調整します」

 靴をはく際も要注意だ。「無意識にはくのではなく、かかとを床にトントンして、前のほうから紐をしっかり締めます。紐は穴の一番上が1つ空けるまで、きちんと通してください。ランニングシューズをちゃんとはくことは基本ですが、意外とはけていません」(前同)

 着脱しやすいからと紐を緩めてはくのはご法度だ。「上の穴を2つほどあけて、紐を結んでいる人がいますが、これでは、足が横ブレしやすく、捻挫の原因になります。ただし、急にギュッと強く締めると足の脇が痛くなるから、自分で加減してみてください」(同)

■正しいフォームを身につけよう

 さらに、痛みやケガなく走るには、フォームも重要。

「ただ単に歩く、走るのではなく、脳を使って、体の使い方を意識。ウォーキングやランニング時も、みぞおちから下が脚だと思って、胸を張って、骨盤から体を押し出すように進みます。膝の痛みが不安な方は、つま先で小走りするように走ると、衝撃があまり膝にかかりませんよ」(同)

 さらに、つま先走りのメリットを、こう続ける。

「子どもが走るようなつま先走りは、脚が前に出やすいんです。少し前に体を倒し、体の推進力を利用して走ります。足の接地時間が少なくスピードも出やすいので、マラソン選手はつま先で走る人も多いです。ただ、ふくらはぎに負担がかかりやすく、かかとから着地したほうが足には優しい。なので、走り始めはつま先走り、そこからだんだんと足全体を地面に平行につけるようにし、平行着地からかかと着地に移行するのがいいでしょう。その過程で、自分に合ったフォームを見つけてもらえれば」(同)

 さらにフォーム矯正の秘策は、なんと裸足だという。

「マラソンで強いケニア勢の走り方が美しいのは、幼少期に裸足で長距離を歩く環境で育ってきたのも一因。裸足だと足が痛くなるので、自然と足に良い歩き方が身につくんです。裸足ランは、流行中。体が軽くなったような感覚がするので、芝生やビーチなどで実践するのもいいですね」(同)

 また、ランニングというと、薄着で走るランナーの姿が印象的。だが、初心者は防寒対策も大事だという。「中綿入りのアウターやダウンなど、動きやすい防寒着を着用して走ったほうが、体が温まりやすくて、ケガの防止にもなります。暑くなったら、脱げばいいんです」(同)

 1月11日発売の『週刊大衆』1月27日号では、初心者の参加も可能なマラソン大会のリストを掲載している。

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