田中角栄「怒涛の戦後史」(15)元首相・中曽根康弘(下) (3/3ページ)
筆者は、中曽根が90歳を超えて間もない頃、その講演を聴いたことがある。いわく、次のようなものであった。
「私は(首相在任中)国家を背負うにあたって、一番心懸けたのは何事も安易に走らぬことであった。ために、自らを修めることを常に忘れなかったつもりだ」
大勲位・中曽根康弘、101歳の大往生であった。「希代のパフォーマー」「風見鶏」などと揶揄されはしたが、真剣勝負で生きた姿ものぞける。田中角栄もまた、自分の生きる姿勢が同様であったことから、そのあたりに「良質の株だが、上場株ではない」と言いつつも、あえて中曽根政権を誕生させた“根っ子”があったのではと思われる。
(本文中敬称略)
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【著者】=早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。