世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第352回 アベ・ショックが始まった(中編) (2/3ページ)
ちなみに、景気動向指数研究会は、’18年12月に、
「前回の景気の谷から足下まで明確な下降はみられず、第15循環の景気の谷(’12年11月)以降、’17年8月以前に景気の山はつかない」
として、安倍政権の「景気拡大を「いざなぎ越え」と判定。
とはいえ、日本経済は実際には’14年4月に「景気後退」に落ち込んでいる。理由はもちろん、前回の消費税増税である。つまりは、’14年3月に「景気の山」をつけているのだ。
ところが、’14年4月に景気後退に陥ったとなると、誰が考えても「消費税増税が理由」という話になってしまう。財務省主権国家の我が国において、消費税増税で景気後退に陥るなど、あってはならない。というわけで、景気動向指数研究会は、’14年4月以降の落ち込みについて「見て見ぬふり」をしたのである。
前回の景気後退(’14年4月以降)は、’16年8月前後に底打ちし(=景気の谷)、その後は’17年秋に再び山を打ったように見える。理由は、消費税増税の悪影響が長引いていることに加え、米中覇権戦争による外需停滞など、複合的なものだろう。
そして、景気動向がなだらかな下降線を描いているタイミングで、’19年10月に再度の消費税増税が強行された。1997年、2014年と、過去の消費税増税のタイミングは「景気拡大期」であった。消費税が増税され、日本の景気は失速し、「増税直前」が景気の山をつけていたのだが、今度は「景気後退期の増税」なのである。これは、初めてのケースだ。’19年10月の景気動向指数は、何と’13年春の水準に戻ってしまった。つまりは、過去7年の安倍政権の「経済政策」とやらの効果は消滅したことになる。
この状況で、日本経済は五輪不況、7月再増税(ポイント還元終了)というネガティブなイベント目白押しの’20年を迎えることになる。大変残念ながら、五輪を開催した国は、その年は必ず不況になる。考えてみれば当たり前の話だが、五輪向けのインフラ整備は、五輪開催の「前年」に終了しているのだ。昨年はあったインフラ整備が、今年はない、ということになり、五輪不況を避けることはほぼ不可能だ。
そして、キャッシュレス決済のポイント還元が、’20年6月30日で終了する。