〈企業・経済深層レポート〉 半導体事業の撤退、EV電池の足踏み… パナソニック迷走中 (2/2ページ)

週刊実話


「暗礁に乗りかけているとささやかれるテスラとのEV用電池事業はどうするのか」

 テスラとはイーロン・マスクにより、シリコンバレーに’03年に設立された電気自動車のベンチャー企業。’10年、パナソニックは、テスラとEV用電池の共同開発をスタートさせ、’14年には、米ネバダ州に大規模電池工場「ギガ・ファクトリー」を建設。パナソニックは、その建設費として2000億円以上を投じた。
「EV車製造では世界最先端を走るテスラ。もちろん、テスラの計画が予定通りならパナソニックはEV電池事業で一気に世界トップに躍り出て、稼げる新事業を手中にする大チャンスです」(同)

 ところが、テスラの事業は何度も大きく軌道修正。’17年に生産開始されたEV車「モデル3」の当初の生産予定台数は1500台(’17年7〜9月)だったが、実際は260台。’18年にはFBI(連邦捜査局)が、「生産台数の見通しで虚偽があったのでは」と、捜査に動いたとも言われている。そのため「モデル3」は’19年7〜9月期で7万9600台と販売台数が公表されるも、いまだテスラへの信頼性は定まらない。

 しかも、肝心のEV車は、全世界の年間販売台数で、いまだ200万台未満だ。
「販売台数が伸びないのは、EV電池の航続性や充電スタンドの数が少ないのが原因です。それと、EV車両価格がガソリン車より高額なこと。だからEV車が浸透しないんです。津賀社長は’19年11月の会見で『テスラはEVの中でもっとも高い可能性がある』と擁護する。一方で、テスラが’19年、上海に新たに稼働させたEV工場の電池事業は中国・韓国企業が担うという情報が飛び交っています。どちらにせよ、パナソニックのEV電池事業に期待はできません」(同)

 赤字事業から撤退し、EV電池事業でも足踏みが続くパナソニックは、どの事業を柱にするのか。
「結局、家電です。パナソニックは’21年操業を目指し、中国・浙江省に45億円を投じて電子レンジなどの調理家電工場を新設予定。14億人の人口を抱える中国での家電販売に大きな期待を抱いているのです。’19年4月の組織改編では、新たな社内カンパニー『中国・北東アジア社』を新設したほどです。サービスを売りにするビジネスモデルを模索するパナソニックですが、やってることはちぐはぐです」(前出・関係者)

 迷走するパナソニックが復活するには、まだ時間が掛かりそうだ。
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