釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 兵庫県・明石一文字産カンダイ (2/2ページ)
なかば無の境地に達しかけていましたが、内側で竿を出していたカレイ狙いの釣り人から声が上がりました。
「チャリコやわぁ〜」
そう呟きつつ苦笑いでリリースする姿が…。
そうや、チャリコ(マダイの幼魚)も立派なマダイやん! もう、こうなったら大人も子供も関係ない! 志は低い方に流れるんや!
初志貫徹は何処へやら。そそくさと内側へと移動です。港内に面した内側は、流れが緩い上に対岸は目と鼻の先。短竿でチョイと仕掛けを投げる釣りで十分です。
「明石のタイ(チャリコ)よ、掛かってこんかい!」
臨機応変な作戦変更は早々に実を結び、早くも「クンッククンッ!」と竿先が揺れました。
「これで明石の天然マダイ(チャリコ)をゲットやで〜」
あれ、チャリコにしては引きが強いぞ? 大きくはなさそうですが、トルクのある力強い手応えです。
「ちょっといいサイズのチャリコかも?」
そう期待しながら巻いてくると、くすんだ赤褐色の魚影が見えました。チャリコなら白いはずですが…。
そのまま抜き上げた魚は…、名前には一応“タイ”と付いていて、色も赤いヤツでした。ただ、コイツは残念ながらマダイではなく、カンダイ(コブダイ)という魚…。
「まぁ食べてウマいからコイツでええやん!」
寒風で体が冷えてきたこともあり、さっさと竿をたたんで迎えの船に乗り込んだのでありました。
★実はベラ科!?でもゆえに旨い
このカンダイ、“タイ”と名は付いているものの実はベラ科です。ベラ科の魚は成長に伴ってメスからオスに性転換するものが多く、当種はオスになった個体にのみ頭部のコブが発達します。
その昔はあまりに見た目が違うため、オス→コブダイ、メス→カンダイと種類自体が違うと思われていたようです。してコイツはコブなし個体だから…、つまり…、うら若き乙女ってワケですな。グヘヘ?
そんなカンダイを今回は煮付けてみました。ベラ科の魚らしく、身離れのよい白身は甘みが強く非常に美味です。この甘みと『菊正宗 純米樽酒』の杉の香りが実にベストマッチ。結局、明石のタイにはフラれましたが、ウマイ肴で晩酌ができたことに感謝です!
てなわけで2020年も、こんな感じでゆるりと全国を釣り歩いてまいりますので、引き続き宜しくお願い致します
***************************************
三橋雅彦(みつはしまさひこ)子供の頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。