ゲーマー同士の友情は海を越えて。オンラインゲーム中に発作を起こしたイギリスの少年をアメリカの女性が助ける

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ゲーマー同士の友情は海を越えて。オンラインゲーム中に発作を起こしたイギリスの少年をアメリカの女性が助ける
ゲーマー同士の友情は海を越えて。オンラインゲーム中に発作を起こしたイギリスの少年をアメリカの女性が助ける

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 オンラインゲームをしていると、会ったことがなくても、世界中の対戦相手やパーティーを組む仲間と親しくなったりする。

 イギリスに住む17歳少年は、アメリカに住む21歳の女性といつも一緒にプレイしていた。そして今回、海の向こう側にいる女性に命を助けられるという経験をした。ゲーム内の話じゃない。リアルでの話だ。

 ゲーム中に、突然発作を起こした少年の異常事態に気付いた女性が、機転を効かせアメリカからおよそ7700km離れたイギリスに素早く緊急通報。おかげで、少年は重篤な事態を免れたのだ。

UK teen suffering seizure saved by gamer in Texas

・ゲーム中の発作に気付いたテキサス州の女性、イギリスに緊急通報

 イギリスのチェシャー州ウイッドネスに住むカレッジ学生のエイダン・ジャクソンさん(17歳)は、1月2日もいつものように2階の自室でオンラインゲームをしていた。

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 その時、突然エイダンさんを発作が襲った。それに気付いたのは、いつも一緒にプレイしているネット上の友人、ダイアさん(21歳)だった。

 アメリカのテキサス州に住むダイアさんは、ヘッドセットから発作としか言いようのない音が聞こえてきたため、急に不安になり、エイダンさんに大丈夫か尋ねた。

 しかし、エイダンさんからの応答はなく、ダイアさんはすぐにネットでEUの緊急通報番号を検索。かけてみたがうまくいかず、試行錯誤の末、ようやく少年の住む都市の正しい緊急番号にかけることができた。

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とにかく、すぐにエイダンに助けが行くようにしなきゃと、誰かと繋がることを祈っていました。そしたら繋がったので、今度は自分がパニックにならないように落ち着いて事情を説明しなければと思いました。

 ダイアさんの通報を受けたチェシャー州警察は、警官3人をエイダンさん宅へ派遣。玄関先に現れたパトカー2台を見て、エイダンさんの母親キャロラインさん(48歳)は驚いた。


・友人ゲーマーの機転の良さが少年を救う

 エイダンさんが自室で発作を起こした時、キャロラインさんと夫スティーヴさんは1階でテレビを見ており、2階にいる息子の異常事態に全く気付いていなかった。

警官が、この住所で通報を受けたと言ったので、「誰も電話などしていませんよ」と答えたら、「アメリカから通報があった」と言われて驚きました。誰かの具合がとても悪いことを聞いたと言われ、まさかと思いすぐに2階の息子の部屋に駆け付けました。

 キャロラインさんが医療スタッフとともにエイダンさんの部屋に行くと、エイダンさんはヘッドセットを装着したままの状態で発作を起こしていた。

 その後、すぐに病院に運ばれたエイダンさんは、複数の検査を受け、翌日には退院できた。

 発作当時の記憶はエイダンさんになく、母親が部屋に来たことや、ダイアさんがヘッドセットを介して話しかけたことも全く覚えていない。

 ダイアさんの通報がなければ、エイダンさんの容態が悪化していたことは間違いなく、キャロラインさんはダイアさんにとても感謝している。

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息子の発作は午後9時頃起こったようですが、救急車は約40分後に到着していました。警察と救急車の素早い対応は素晴らしかったです。それも全てダイアさんのおかげなので、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。


・震える声で通報したダイアさんも友人の無事に安堵

 結果として大事に至らず、エイダンさんが無事だったことに安堵しているダイアさんは、このように話している。

通報時、私がうまく伝えないとエイダンのもとに助けが行くまでに時間がかかると思い、電話では「私はEU圏内に住んでいないが、イギリスで発作を起こしている友人とオンラインで繋がっていて、助けを求めている」と話しました。

彼の住所を伝えて、電話を切った直後に、エイダンがようやく私に反応しました。「救急車を呼んだよ」と話しかけましたが、彼はあまり状況が理解できていないようで、ただ「わかった」と言っただけでした。

一番非現実的だったのは、ヘッドセットを通して、彼の母親や医療スタッフが部屋に入ってきて、彼に大丈夫かどうか話しかけているのが聞こえた時に、アメリカに住んでいる私が「エイダンは発作を起こしたようだ」と答えたことです。

彼にもしものことがあったらと、怖くて心配して、ほとんど半泣き状態でした。でも、落ち着いて緊急通報できてよかったし、エイダンも無事で何よりでした。


・遠く離れた友人ゲーマーに感謝

 アメリカからイギリスまで約7700kmの距離を超えて、友人ゲーマーの危機を救おうとしてくれたダイアさんには、もちろんエイダンさん自身も深く感謝している。

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ゲームするたびに「ありがとう」って、少なくとも5回は…いや10回は伝えたかな。

 なお、母親のキャロラインさんによると、ADHD(注意欠如多動性症候群)と自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)を持つエイダンさんは、2019年5月にも同様の発作を起こしており、今回で2回目なのだそうだ。

 発作の原因については未だ病院で検査中とのことで、自宅に戻って再びゲームをしているエイダンさんには、「今後は部屋のドアを開けておくように」と伝えたという。

References:Liverpool Echoなど / written by Scarlet / edited by parumo
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