2年ぶりに展示中!北斎の娘・葛飾応為の名作「吉原格子先之図」の魅力【前編】 (2/2ページ)

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そんな数少ない彼女の作品の中でも大変人気の高い代表作、「吉原格子先之図」は太田記念美術館にしかなく、しかも今回の展示会で約2年ぶりに展示されるという超レア作品だからです。

本作品は光と陰の効果を巧みに操り、吉原遊郭の夜を幻想的に切り取った美しい肉筆画です。一度は目にしたことのある方も多い事でしょう。

葛飾応為「吉原格子先之図」の魅力

そんな葛飾応為の代表的な作品「吉原格子先之図」を見に行くにあたって、その魅力と見るべきポイントをご紹介します。1つ目の魅力は「吉原遊郭の張見世の構造を知る事ができる点」です。

客が覗いている格子の事を「籬(まがき)」と呼びますが、吉原遊郭ではこの籬の範囲によって妓楼のランクが分かるようになっていました。籬がないとランクが下の店、半分だけ籬がある「半籬(はんまがき)」は中ランクの店、全体に籬がある「惣籬(そうまがき)」は高級な店と決まっていたのです。

この絵の妓楼は、左半分が籬になっているので、中ランクの「半籬」だと分かります。

後半に続く

開館40周年記念 太田記念美術館所蔵 肉筆浮世絵名品展 ―歌麿・北斎・応為 太田記念美術館

太田記念美術館公式ホームページ

参考文献:太田記念美術館編集・発行「葛飾応為 鑑賞ガイドブック 」(平成27年5月)太田記念美術館

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