「相続法改正の背景と主な変更点」を家庭裁判所 元調停委員が解説 (2/3ページ)

心に残る家族葬



(2)の遺産分割に関する見直しの内、持ち戻し免除の意思表示の推定規定とは婚姻期間が20年以上である夫婦の一方配偶者が他方配偶者に対し、その居住用建物又はその敷地(居住用不動産)を遺贈又は贈与した場合については、民法903条3項の持ち戻しの免除の意思表示があったものと推定され、遺産分割においては、原則として特別受益として当該居住用不動産の持ち戻し計算をすることが不要とされるようになり、配偶者に多く財産を残せるようになった。

■配偶者に多くの財産を残すにはどうしたら良いのか

今回の相続法の改正を踏まえて高齢の配偶者へできるだけ多くの財産を残すにはどうしたら良いかというと、一番良い方法は遺言書を作成しておくことである。夫婦に子供がいない場合、相続人は配偶者と被相続人の兄弟姉妹となるが遺言ですべての財産は配偶者に相続させることにしておけば、兄弟姉妹には遺留分減殺請求権がないので、すべての遺産を配偶者が相続することができる。私の経験でも遺言が無いため普段疎遠な配偶者の兄弟姉妹に法定相続分を支払うはめになった気の毒な事例があった。

子供がいる場合、相続人は配偶者と子供になるが、不動産を配偶者に生前贈与しておけば、今回の改正で持ち戻し免除の意思表示があったものと推定されるので、遺産に戻して加算する必要が無く、配偶者へ多くの財産を残すことができ、今後の生活に安定させることができる。しかしこの方法は被相続人が配偶者より先に亡くなることを想定したものである。

■遺言にはどのような種類がありどのように改正されたのか

大きく分けると、普通方式と特別方式があり、普通方式には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があり、特別方式には危急時遺言である「死亡危急者遺言」「船舶遭難者遺言」と隔絶地遺言である「在船者遺言」「伝染病隔離者遺言」がある。

普通方式3種類はそれぞれメリット、デメリットがあるが確実なのは費用はかかるが公証人役場で作成する「公正証書遺言」である。(3)の遺言制度の見直しでは「自筆証書遺言」の要件が緩和され、添付する財産目録については自署でなくてもよくなった。ただし、財産目録の各頁に署名捺印することを要する。
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