黒島結菜『スカーレット』ライバルは清原果耶、嫌われ役で一気にヒロイン候補へ
連続テレビ小説『スカーレット』(NHK)の放送も残るところ2か月ばかりとなったが、ここに来て大きな展開があり、喜美子(戸田恵梨香/31)の弟子である三津(黒島結菜/22)の行動が注目をされた。まずは八郎(松下洸平/32)との添い寝シーンで話題騒然となった、1月25日の放送を振り返ってみよう。
穴窯という昔ながらの焼き窯が完成し、初めての火入れを行うことになった。喜美子は窯への薪入れを1人で行おうとするが八郎が反対し、三津と3人でやることに。そして焼成が始まったが、予定の3日を過ぎても目標温度には届かない。喜美子が休んでいる八郎のもとに向かうと、そこには八郎と添い寝をしている三津の姿があった……という展開だった。
ツイッターでは、八郎と添い寝してキスまでしようとした三津に対して、「しかしアウトやで、三津さん」「はよ、三津出て行け」など厳しいコメントが踊った。三津は1月上旬に登場すると八郎に近づこうとする小悪魔ぶりを発揮し、あっという間に嫌われ役となった。さらに喜美子と八郎のすれ違いが加速するとドラマの視聴率も落ち、低視聴率の戦犯扱いまでされたのだが、むしろこの三津役は女優・黒島結菜の株を上げたのではないだろうか。
三津はこのドラマの中でも群を抜く難役だ。まず師匠、八郎に禁じられた恋をしてしまうという点。八郎へのイケない片想いゆえの切なさと、それを隠すための無邪気さ。黒島はこの2つをうまく出し入れして見せた。
さらに三津は、ヒロイン喜美子の合わせ鏡のような存在でもあった。断られても断られても弟子になりたいと訴え、川原夫妻の弟子になるやそつなく料理や下働きをこなし、八郎の良き話し相手に。失恋して川原家を出るときに純情な涙を流したように、若い頃の喜美子を想起させる場面がたくさんあったのだ。三津は、喜美子が年齢を重ね、女性として陶芸家として成長したことを浮き彫りにするという役割を担っていたのだ。
■嫌われていた三津がいつの間にか人気に
また、最初こそ視聴者に嫌われていた三津だが、最後は愛されていたようだ。1月27日の放送で三津が己の恋心にけじめをつけて喜美子と八郎の元から去ると、「三津はやっぱりいい子だった」「潔く去っていく三津に幸あれ」と、ツイッターにはこれまでと逆で好意的なコメントが寄せられたのだ。この反響の大きさは、三津が見事にキャラ立ちしていたからにほかならない。持ち前のみずみずしさと爽やかさを発揮しながら、黒島自身がこれまで見せたことがない小悪魔の一面を見せて三津に命を吹き込んだ、その演技力に心から拍手を送りたい。
実は黒島は朝ドラ『マッサン』をはじめ、『夏目漱石の妻』『いだてん〜東京オリムピック噺〜』や主演した『アシガール』と、NHKの注目作に数多く出演してきた女優でもある。高畑充希(28)に土屋太鳳(24)、杉咲花(22)と、近年は朝ドラ経験者のヒロイン抜擢が多いだけに、知名度をさらに高めた黒島は、一躍、将来の朝ドラヒロイン候補に躍り出たといえる。
目下、最大のライバルは『あさが来た』『なつぞら』と、同じく朝ドラ出演2作と実績があり、次期ヒロインの噂が絶えない清原果耶(18)だろうか。しかし、三津、そして黒島結菜が『スカーレット』に残したインパクトも、かなりのもの。いつか、ヒロインとして朝ドラに再登場する日を待ちたいと思う。(朝ドラ批評家・半澤則吉)