糖質制限ダイエットは? 間違いだらけ!「死ぬ」食習慣&食べ物

日刊大衆

写真はイメージです
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 20年前の「常識」は今や「非常識」!? 古い知識を当然と思い込んでいると、知らないうちに寿命を縮めている!

 毎日のように、情報が更新されてゆくのが現代社会。それは我々の日々の「食」についても同じことが言える。たとえば、粗食のススメ。「粗食こそが長寿の源」という常識について、新潟大学の岡田正彦名誉教授(医学博士)が、こう否定する。「粗食を続けていると摂取すべきカロリーが不足し、細胞の衰えを招き、老化を早めます。逆に、しっかり食事をとっている人が長生きしています。粗食は命を縮めると考えてください」

 長寿の源どころか、粗食は「死」を招くわけだから真逆の話なのだ。

 こんな間違いだらけの「食習慣」や「食べ物」は、まだまだある。中でも、誤解されやすい常識に焦点をあてたい。まず、今、流行りの「糖質制限(ダイエット)は体にいい」も間違いだとか。「糖質制限と食事制限とは違います。摂取カロリーを保ったまま、糖質だけを制限しようとすると、どうしてもタンパク質の摂取が多くなってしまいます。タンパク質の摂取が5グラム増えるごとに心筋梗塞の発症率が5%ずつ増えるというデータがあり、たとえば糖質を20グラム減らして、すべてタンパク質で補ったとすると、心筋梗塞のリスクが2割アップすることになります。糖質制限は死亡率を高めます」(岡田氏)

 粗食や偏ったダイエットもいけないが、かといって「1日に30品目以上食べる」のもNG。『医者が教える食事術2実践バイブル』(ダイヤモンド社)の著書で知られる『AGE牧田クリニック』(東京都中央区)院長で医学博士の牧田善二氏が解説する。「厚生労働省の『1日に30品目を食べる』という基準を信じている方もいると思いますが、この基準は2000年の段階で削除されています。そんなに多くの品目をとると逆に食べ過ぎになり、肥満や生活習慣病を増やすことが分かったからです」

 健康志向の高まりとともに、「特定保健用食品(トクホ)」を意識して買っている人もいるだろうが、「トクホが体にいい」にも疑問符がつくという。トクホとは、有効性・安全性などの科学的根拠を示して、国の審査のもとに消費者庁の許可を受けた食品のこと。「ただし、科学的根拠を示す期間は12週間だけ。つまり、それ以上続けて有効性が認められるかどうかは分からないんです」(前出の岡田氏)

 むしろ、逆に「害」になる場合もあるという。漢方にも詳しい薬剤師の平地治美氏が、こう続ける。「一般の食品より副作用や飲み合わせのリスクが高く、薬を毎日服用している高齢者は、特に気をつけなければなりません。たとえば、高血圧で降圧剤を毎日服用している人の場合。血圧が高めの方向けのトクホのお茶を飲んだら、飲み合わせが悪かったという話になる可能性だってあります。 副作用については体質の問題もあります。薬常用の方はトクホを飲む前に薬剤師などに相談すべきです」

■野菜ジュースは健康にいい?

 トクホのみならず、「野菜ジュースは健康にいい」と思い、毎朝、出勤前に飲んでいる人もいるはず。ところが、平地氏によると「野菜ジュースにはおいしく飲むために砂糖や果糖がたくさん含まれていることが多く、血糖値を急上昇させ、肥満の原因になります」という。

 最近では、毎朝、野菜ジュースを飲む習慣とともに、水道水のカルキ臭を嫌い、「水道水よりミネラルウォーター」という習慣も広がっているが、医療ジャーナリストの牧潤二氏は、その習慣には否定的だ。「水道水が水道法で51項目のチェックを受けているのに対して、ミネラルウォーターの場合、食品衛生法によるチェック項目は18しかありません。また、ミネラルウォーターには工場での生産時に一般細菌の混入の危険性があるうえ、開封後に一度で飲まずに置いておくと、雑菌が繁殖します。一方、水道水は塩素消毒のおかげで菌は繁殖しません。安全面では明らかに水道水がいいと言えます」

 江戸時代から続く「土用の丑の日にウナギを食べて夏バテを克服する」という食習慣も誤りだという。前出の平地氏が続ける。

「ウナギは油成分が多く、消化時に胃腸に負担をかけます。したがって、胃腸が弱っている高齢者が真夏に食すると、逆に健康を害する危険性があります」

「食習慣」の最後は「卵は1日1個まで」。コレステロールを含む卵を食べ過ぎない食習慣こそが、成人病予防に繋がるとされてきた。

「ところが、今や、コレステロールは肝臓で作られるものとされ、食事制限でコレステロール値をコントロールしようという努力は、意味がないと考えられるようになっています。卵には優れた成分が多く含まれ、1日2~3個までなら、むしろ食べたほうがいいんです」(前出の牧田氏)

■乳製品は体にいい?

 また、体にいいとされてきた食べ物で、実は、それが非常識だったというのも多い。まずは「発酵食品は体にいい」――こんな常識には注意が必要だ。「発酵食品なら、なんでもいいというわけではないんです。“飲む点滴”ともいわれる甘酒は糖質のかたまり。キムチ・ぬか漬けといった漬物類、なれ寿司などは保存性を高くするために塩分が多く、多量にとれば逆効果です」(前同)

 淡い色合いで、だまされがちなのが薄口醤油。「薄口醤油は塩分控えめ」というのも大間違いだ。「しょっぱくないから塩分少なめという舌の感覚からも、薄口を選ぶ人が多いようですが、実際には逆。塩分濃度は、薄口が18~19%、濃口が16%です」(同)

 見た目と食感には要注意なのだ。

 ところで、牛乳嫌いの読者の中には、小学校の頃、給食で残した牛乳を昼休みの間も飲みきるまで教室に残された経験があるだろう。ところが、「牛乳は体にいい」という常識は崩れ出している。前出の岡田氏が続ける。「成長に欠かせない栄養素を含んでいますから、10代半ばまでは飲んでいいと思います。しかし、大人が飲むと、カロリーが高すぎて検査値に影響が出てきます。私の患者さんでも牛乳を飲む量を減らしたら、高かった中性脂肪の数値が驚くほど下がったという例もあります。牛乳は現代病の権化。飲むなら、コーヒーカップ1杯程度までです」

 さらに牧田氏は、こんな問題点を指摘する。「牛乳が、どうやって製品化されたかが重要。狭い場所に何頭もの乳牛を押し込めておくと感染症が起こりやすく、抗生物質の投与の他、成長させるために肥育ホルモン剤を投与することもあります。また、高温殺菌することで乳酸菌など大切な栄養素が失われていくのです」

 一時、その牛乳を原材料とするバターには動物性油脂が含まれているから体に悪い、だから「植物性油脂が含まれているマーガリンを食べよう」という話が広まった。一方で、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸も体に悪いと言われる。いったい、どちらを食べたらいいのか。「欧米人のように油を使った料理ばかり食べていると、トランス脂肪酸を気にする必要がありますが、日本人の食生活なら問題はありません。一方、日本人の場合、朝食のトーストにバターを少し塗る程度ですから、バターも問題ないと言えます」(岡田氏)

■酒で長生き?

 酒はどうだろうか。「酒が肝硬変を引き起こす」は常識中の常識だが……。「飲み過ぎると、確かに肝硬変になります。ただし、肝硬変の原因は、C型肝炎ウイルスが約60%、B型肝炎ウイルスが約15%で、アルコール性肝炎は3番目なんです」(牧氏)

 つまり、酒を控えても、なる人は肝硬変になるという。しかも岡田氏によると、「飲みすぎると寿命を縮める一方、たとえば、ビールでいうと350ミリリットル缶を毎日飲んでいる人のほうが、まったく飲まない人より長生きしているというデータもあります。ほどほどの酒なら、むしろ毎日飲むべきです」というから、晩酌派の読者には朗報だろう。

 そうなると、「休肝日は必ず設けよ」というのも、誤った常識なのだろうか。「その通り。一日に一升瓶を飲むほどの大酒飲みは別ですが、ほどほどの酒なら、休肝日を設ける必要はありません」(前同)

 難しいのは「焦げを食べると、がんになる」という常識。牧氏が、こう語る。「国立がん研究センターの『がんを防ぐための12カ条』が改訂され、“焦げた部分は避ける”という内容が削除されています。焦げた部分というのは焼き魚を想定していたようですが、少し焼き過ぎて焦げた部分を食べる程度では、リスクはないという考えです」

 一方、魚の焦げより問題なのが焦げた肉。岡田氏が、こう続ける。「肉を長時間高温で加熱して焦げを作ると、肉の成分が発がん物質に変わり、大腸がんのリスクを高めます」しゃぶしゃぶ、すき焼きならいいが、焼き肉を食べるなら、焦げた部位は食べてはいけないという。

 以上、読者の皆さんが思い描く「食の常識」を一度、見直してみてはいかが?

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