新型肺炎のデマで混乱…。日本における過去の有事で流れた「とんでもないデマ」
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事件
有事につきものな「デマ」
新型コロナウイルス肺炎の世界的流行で、同じくらい大流行しているのが「デマ」です。2020年2月上旬現在、新型肺炎に関してSNS上に流れているデマは、それ自体がウイルス並みの広がりを見せています。
こういったデマの誤りを正そうとする人がいないわけではありませんが、デマを信じている人はそれに対し「うるさいな!」「私につっかかられても困ります!」とキレるばかりで、耳を貸そうとしないことがほとんどのようです。
中にはデマに便乗してマスクを買い占めてフリマサイトで高額転売したり、「危ないよ!みんなマスクしよ!この値段でも売り切れてるレベルだから早く買わないと…」という投稿とともにアフィリエイトを貼り付けたりするなど、悪質な事例もあります。

しかしこのようなデマが横行するのは、今回が初めてではありません。これまでにも日本では「未知の有事」の際にとんでもないデマが多発したことがありました。
関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマ1923年9月1日に関東を襲った関東大震災でも、被災後の混乱の中で様々なデマが飛び交いました。
その中で最も悲惨な結果を招いたのが「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が放火して回っている」というもの。当時はインターネットもSNSもなかった時代でしたが、最初は人から人へ伝わっていたこのデマを、なんと新聞が真に受けて報道してしまったのです!
その結果「自警団」が組織され、朝鮮人や中国人の殺害や暴行が行われるようになってしまいました。
さらに悪いことに、自警団が日本人と朝鮮人を識別するために
・「15円50銭」と発音させる
・当時の小学校で必須の「教育勅語」を暗誦させる
などの方法をとっていたため、日本人の中でも地方出身でなまりのある人や学校へ通えなかった人の中には、そのために殺された人もいたのだとか。
もしこれがSNSで真実も嘘も一瞬で拡散されてしまう現代に起こったらと想像すると、本当に恐ろしい限りです。
ハレー彗星接近で「空気がなくなる」自転車のチューブが完売!?新型肺炎流行の影響では日本各地でマスクが買い占められましたが、実はハレー彗星が地球に接近した1910(明治43)年にも、似たような現象が起こっていました。

この時フランスの科学者によって「ハレー彗星が地球に衝突する可能性」が説かれたことから
・彗星の尾に含まれる猛毒のシアン化合物によって地球上の生物が死滅する
・地球上の空気が5分間なくなる
・彗星の最接近時に5分間息を止めていられれば助かる
などのデマが広がりました。
中には水を張った桶に顔をつけて「息を止める訓練」をする人や、地球上から空気がなくなった時の空気備蓄のために自転車のタイヤのチューブを買い占める人まで現れました。
ハレー彗星に関するデマのエピソードは、『ドラえもん(藤子・F・不二雄)』のてんとう虫コミックス第33巻に収録された『ハリーのしっぽ』にも登場しています。
オイルショックでなぜか「紙が消えた!」1973(昭和48)年のオイルショックの時には、トイレットペーパーをはじめとする「紙類が消える」事件が起こりました。
事の発端は、この年に第四次中東戦争の影響により中東の石油輸出機構(OPEC)加盟国から「原油の価格を引き上げる」という発表が出されたことでした。
これを受けた当時の中曽根康弘通産大臣は「紙を節約しよう」と呼びかけました。紙製品の製造にも原油は欠かせないためです。
ところがこれにより「紙がなくなる!」という噂がまことしやかに流れ始めました。

そんな時に関西のあるスーパーで「(大安売りにより)紙がなくなる!」という特売広告を出したら、お客が殺到!特売品ではないトイレットペーパーまで店頭に出したのですが、それもあっという間に完売してしまいました。
この噂を聞いた新聞社が「あっという間に値段が2倍」と書いたことからこの騒動は広がり、全国でトイレットペーパーがことごとく買い占められたり、騒ぎに便乗して値上げされたりと、大パニックとなりました。
この「トイレットペーパー騒動」は、法整備が行われ「標準価格」が定められるなどした結果、供給が回復して落ち着きました。トイレットペーパーを買い占めた人々は、大量の在庫を抱えて途方に暮れたとか。
出どころ不明なデマを信じて極端な行動に走ると、あまり良いことはなさそうですね。
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