世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第356回 新型肺炎と「国家の意義」 (2/3ページ)
アメリカは、武漢からの渡航者の入国を5つの空港に制限し、さらに渡航者全員を検査(それでも、約2週間という潜伏期間を考えると、苦しいところだが)。台湾は湖北省に居住地がある中国人の入国を拒否。フィリピンはウイルスの潜伏期間を考慮し、武漢から中部カリボ空港に到着した便の乗客約500人の送還を決定。さらに、香港までもが中国湖北省の居住者、および過去14日間に同省を訪れた中国人の入境を禁止した。
そして、我が国は例によって「何もしない」。何しろ、緊縮財政という国家の店じまいの真っ最中であるため、「国民を守るために行動する=支出する」ことができない。
1月28日、厚生労働省は、奈良県在住の日本人バス運転手、60代男性が新型コロナウイルスに感染していることを明らかにした。男性は、武漢への渡航歴がなく、間違いなく日本国内における「ヒト・ヒト感染」だ。
男性の行動歴を見ると、1月8〜11日、さらに1月12〜16日と、2度に渡り武漢からのツアー客を、運転手としてバスに乗せている。武漢から来日した中国人から感染したと考えて間違いない。
日本政府は「諸外国に倣い」中国人の入国禁止と、滞在している中国人の帰国措置を採るべきだ。日本政府が日本国民の「人権」「安全」「生命」を重んじるならば。
ところが、我が国は動かない。せめて、アメリカ並みの「渡航者全員検査」程度はするべきだが、結局は何もしない(飛行機の中で、自己申告を求めるだけだ)。我々は、自然災害はもちろん、「死の可能性がある感染症の蔓延」に対してまで自己責任、自己防衛を迫られている。
まさに、国家の店じまい。
まさかとは思うが、中国人観光客による「インバウンドの経済効果」とやらを惜しんでいるわけではあるまい。カネのために、国民を平気で危険にさらすような政府では「まだ、ない」と信じたいところである。
ところで、日本政府は武漢に取り残された日本人を帰国させるため、チャーター機を派遣した。その際の外務省の説明ページ「湖北省に在留している邦人のみなさまへ(帰国希望者調査)」に、
「注意点(5)帰国に際して費用が発生することが想定されます」
とあったため、嫌な予感がしていた。