世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第356回 新型肺炎と「国家の意義」 (3/3ページ)

週刊実話

チャーター便を手配する以上、費用が発生するのは当たり前だ。外務省のホームページの書き方では、あたかも「帰国者が自己負担を強いられる」ように読めてしまったのだ。

 国民を救うのは、政府の義務だ。その際に「カネ」の話は、これまた「まさか」持ち出すことはあるまいと信じたかった。だが、現実はその「まさか」であった。

 1月28日、政府は中国湖北省からチャーター機で帰国する「日本国民」に対し、片道分の正規のエコノミー料金(約8万円)を請求する方針を明らかにした。ということは、カネを払えない国民は、戻ろうにも戻れないということになってしまう。

 料金を請求するということは、「帰国できるかできないかは、カネ次第」であることを、政府自ら宣言したのも同然だ。恐ろしい国である。

 結局、グローバリズムに毒され、小さな政府を尊び、「政府の役割を小さくする」ことを善として構造を改革してきた国家のなれの果てが、現在の日本国なのである。すでに、日本政府は「外国で困窮している日本国民は、無条件で助けなければならない」という、国家の原則すら忘れてしまっている。

 筆者は中国人の人権や「インバウンド」とやらの経済効果、あるいは「チャーター便の費用」よりも、「日本国民」の安全が優先される政府を望む。現在の日本国は、「自らの同胞を守る」という点では、中国人を入国禁止とした「あの」北朝鮮にすら劣るのだ。

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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。

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