「インドで人生観変わる」は本当か?旅と人の成熟の関係 (2/2ページ)
そもそも、外国旅行に行く決断をした学生は自国にいると決めている学生よりも外交的だったが、旅の前後で両者の相違は広がっていった。その研究によると、旅の前まで当たり前と思っていた事柄について新しい見方をするようになり、物事を高く評価するようになった。また、新しい体験に対して開放的になり、精神も安定し創造的になったという。
旅先で出くわす予想しない出来事やハプニング、トラブル。あるいはこれまで出会ったことのない種類の人々との交流。これらは、確かに人の精神に何らかの作用を与えるのかもしれない。ただ、それだけではない。
自身もインドを中心に世界各地を巡る旅を繰り返してきたアンデション氏は、「旅の効用」として「思考」をあげる。
私たちは、普段の生活のなかで考えたくない出来事や、様々なネガティブな感情を抱え、ふとした時にそれを思い出すと、反射的にそれ以上考えるのをやめてしまう。問題を解決するのを後回しにしたり、ネガティブな感情と折り合いをつけるのを避けているわけだ。
ただ旅をしていると、日常生活の問題や、感情面の葛藤と素直に向き合える瞬間があるようだ。自分をごまかさずに、考えたくないこともとことん突き詰めて考える時間を、アンデション氏は旅の中で持つことができたという。
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家も家族も仕事もあるという状態で、アンデション氏のような旅をするのはなかなか難しい。そして、旅はそもそも大きなエネルギーを必要とする。ただ、それでもどうにか時間を作って、重い腰を上げて外に出てみると、「来てみてよかったな」と思えるもの。
『旅の効用: 人はなぜ移動するのか』でつづられているアンデション氏の旅の体験談や旅への考察を読めば「たまには一人旅でもしてみるか」と旅心に火がつくはずだ。
(新刊JP編集部)