「インドで人生観変わる」は本当か?旅と人の成熟の関係 (1/2ページ)

新刊JP

「インドで人生観変わる」は本当か?旅と人の成熟の関係(*画像はイメージです)
「インドで人生観変わる」は本当か?旅と人の成熟の関係(*画像はイメージです)

人間が木から降りて「地上生活」を始めたのが約600万年前といわれる。そして、村を作り、定住生活を始めたのが約1万3000年前である。

ということは、人類は住居を定めず、あちこちと移動を繰り返しながら採集や狩りを行ったり、遊牧民として生活していた時間の方が圧倒的に長いことになる。

だから今の私たちが時々、移動不足を幻肢痛のように感じて、遊牧生活に憧れるのも不思議ではない。

スウェーデンのジャーナリスト、ペール・アンデション氏は『旅の効用: 人はなぜ移動するのか』(草思社刊)でこんなことをつづり「私たちの遺伝子には旅心が潜んでいる」としている。

■旅は人を成長させるのか?

アンデション氏のいう「旅」は、目的地も、ルートも、期間も決めず、「明日何をするか」のプランもなく、そして多くの場合一人である。「旅」というより「放浪」といった方が近いかもしれない。それは、事前に決めた観光地に向かい、そこを見て帰ってくる「旅行」とは似て非なるものだ。

思えば、私たちは「旅」に自分を成長させる要素を見出してきた。多くの人が「インドに行って人生観が変わった」といった言説や「自分探しの旅」といったワードを聞いたことがあるのではないか。しかし、本当に旅は人を変えるのだろうか?

アンデション氏は、本書の中でドイツのフリードリヒ=シラー大学のユーリア・ツィンマーマン氏らが行った研究を紹介している。

ツィンマーマン氏らは6~9週間にわたって他のヨーロッパ諸国の大学で学んだ学生と自国内に居続けた学生合わせて1000人を対象にインタビューを行い、外国で一定期間過ごした経験が人格にどう影響を与えたかを調査した。なお、この研究では、本国ドイツと文化的な類似点が少ないアジアやアフリカへの渡航経験のある学生ではなく、あえて文化的に類似点の多いヨーロッパ内の他国に滞在した経験がある学生を対象にしたという。

インタビューで判断したのは「開放性」「友好性と思いやり」「誠実さ」「感情の安定度」「外向性」の5つの要素だった。

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