ああー、もったいない、もったいない！　ドラマ『ケイジとケンジ　所轄と地検の２４時』（テレビ朝日系）のことである。

　東出昌大（３２）の不倫騒動からどう見ればいいのか分からなくなり、一度だけドラマを見るのをやめたが、やはり気になって見逃し配信をチェックした。やっぱり面白い……。この令和版『噂の刑事トミーとマツ』（ＴＢＳ系）感、好きすぎる！

　刑事と検事の役割の違い、格差など、勉強になるネタをふんだんに盛り込んでいるのがいい。テンポも最高。さすが大ヒットドラマ『ＨＥＲＯ』（フジテレビ系）の脚本家、福田靖氏である。キャスティングも警察側、検察側のキャラが全員立っていて見事。これまで数々の刑事ドラマを、１０年越えのロングランに育ててきたテレ朝の底力を感じる。

　なにもなかったらアッサリとシリーズ化の流れになっていたのに！　いち視聴者の私ですら残念に思うのだから、出演者の怒りは相当なはず。「東出よ、なにをしてくれたのか」ってなものだろう。ある記事では、撮影現場で東出が孤立していると書かれていたが、それもいたしかたない気もする。

　ひたすら気の毒なのは、４０歳にしてやっとこのドラマで初主演を果たした桐谷健太である。しっかりと動画アピールで株を上げ、ツイッターでは彼を評価する声も多数、出ている。まちがいなく個人的に男を上げてはいるが、それより桐谷が今欲しいのは、ドラマの視聴率回復だろう。面白い脚本のためにも、番組の打ち切りは避けてほしい。

　となれば「代役で継続説」が濃厚になってくる。が、東出のおバカっぷりを継承できる俳優がいるのか？　いないだろう……そう思いつつ、数々のツイッターへの代役予想書き込みをチェックしてみた。

■斎藤工と高橋一生もアリ？

　あらっ、岡田将生（３０）ならば、ちょっと見たいかも。ときどき振りきったヘンな演技をするといえば、斎藤工（３８）もアリだ。高橋一生（３９）という線もなかなか……。おや、けっこう代役候補、いる？

　とはいえ、現在も東出で『ケイジとケンジ』の撮影は続いているようで、なんだかんだと言っている間に折り返し地点である。もう第１シーズンはこのまま東出で乗り切り、『相棒』方式で第２シーズンからチェンジするのが、いいかもしれない。東出が演じる真島はなんだかんだ、味があって面白い。とりあえず、キリがいいところまで見続けたいというのも、本当のところだ。ただ、彼がこのままテンション高く役を演じられるかどうかが、問題になるが……。

　とにもかくにも、桐谷は応援したい。このドラマで１回は出てくる彼の雄叫び「ボケ―ッ！」はかなりのストレス解消となっている。分かりやすく目立ちたがりで、お調子者なキャラクターもぴったりだ。

　ということで、このドラマがどういう選択をしようが、最後まで見る！　第５話は、目黒元気刑事役の磯村勇斗（２７）が活躍する予定である。楽しみだ。ここはぜひ、ワンチームで乗り切ってほしい。主演を張るというのは、本当に覚悟がいる。ネットで俳優の素が拡散されるこの時代、ドラマとは本当にガラスの城なのだと思った。（田中稲）