ネルフの基地かな。イタリアの消防署が瞬間、心重ねそうなくらいSFテイストだった件

image credit:Jurgen Eheim, Ullrich Egger, and Gunter Richard Wett/bergmeisterwolf
10年前に建てられたイタリア北部の小さな町の消防署が、海外掲示板Redditに投稿されて以来、かなり話題になっている。
切り立った崖の中に建設されたこの消防署、まるで新世紀エヴァンゲリオンの特務機関NERV(ネルフ)の基地のようなSFテイストを醸し出しているのである。
しかし、このような建設を選択したのはある理由があったという。
・崖の中に消防署が建設された理由
2010年にイタリア北部マグレ・スッラ・ストラーダ・デル・ヴィーノという小さな町の岩山を削って建設された消防署は、一見、基地っぽい雰囲気を醸し出している。
しかし、わざわざ崖の中に消防署が作られたのには2つの理由がある。
1つは、アルプスの農地は希少で、この高山地帯では農耕できる土地が不足しているため、わざわざそこに消防署を建設するよりも、岩山を使った方が土地を有効利用できるということ。
そしてもう1つは、非伝統的建築に対する制限が厳しかったからということだ。

image credit:Jurgen Eheim, Ullrich Egger, and Gunter Richard Wett/bergmeisterwolf

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地元のコミュニティは、山もしくは300フィート(約90メートル)の岩の断崖に消防署を建設するため、デザインをイタリアとオーストリアにオフィスを持つ北イタリアの建築会社『Bergmeisterwolf』に依頼した。
・静止した暗闇のなかで...
プロジェクトの実行は、まず切り立った岩の90メートルの崖3か所を爆破し、人工的な洞窟を作成する作業から始まった。
建物は、デザインが印象的な外観というだけでなく、岩そのものが断熱材の役割を果たすため、エネルギーの節約にもなるという。外気温がマイナス10度の時でも、消防署の内部は約13度に保たれるそうだ。
作成された3つの洞窟の2つはガレージとして使用し、1つは事務所として機能させた「人の造りしもの」なのである。

image credit:Jurgen Eheim, Ullrich Egger, and Gunter Richard Wett/bergmeisterwolf
・4つの建築デザイン賞を受賞
洞窟の中のトンネルは全て接続されてあるが、湾曲したコンクリートの壁を作り、スムーズな内装に仕上げた。これには、落石から消防士を守る目的を含んでいる。
コンクリートの黒い色は、ブナ炭の粉塵を骨材に混ぜて焦げた木材のイメージを持たせたという。

image credit:Jurgen Eheim, Ullrich Egger, and Gunter Richard Wett/bergmeisterwolf

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この独創的で斬新なデザインは、4つの建築賞を受賞する結果となった。
Redditユーザーらからは、「さすがイタリア、デザインが素晴らしい」「ゲームか映画の世界のような建築だ」「普通の家よりクールじゃないか」「イタリア版ネルフ基地だな」「ここに住みたい」といったコメントが寄せられている。
なんとなく記事の中にエヴァのタイトルをいくつか潜り込ませてみたけど、全部わかったかな?
written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2020/02/14)本文を一部訂正して再送します。