元FBI捜査官が明かす「人に好かれる」公式 (1/2ページ)
ウラジミールは当時アメリカに不法入国し、スパイ活動を行っていた。
彼は防衛関係の機密文書を所持していた罪で逮捕され、取調べを受けた。その取調べを担当したのが『元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法』(栗木さつき翻訳、大和書房刊)の著者の一人であるジャック・シェーファー氏だ。
ジャック氏は20年にわたりFBI捜査官として行動分析プログラムに関わってきた。
そして、任務をこなす中で、人に好かれ、信頼してもらい、相手を意のままに動かす有効な方法がわかってきたという。
これらは恋愛や仕事の人間関係など、日常生活にも応用できる技術だ。「スパイをスカウトするテクニックは、異性をデートに誘うときにも使える」というように。
話を取り調べに戻すが、スパイのウラジミールは最初、「何があろうと、いっさい話すつもりはない」と断言していたそうだ。そこでジャック氏は彼の正面に座り、ただ新聞を読み始めた。そして慎重にタイミングを見はからい、落ち着きはらった態度で新聞をたたむと、ひと言も発することなく部屋を出た。
この動作を翌日から数週間にわたって続けた。手錠につながれた状態で押し黙っていたウラジミールだったが、やがてついに「なぜ毎日、自分に会いにくるのか」と尋ねた。「あなたと話がしたいからです」と答えるジャック氏。しかしその後はウラジミールを無視して再び新聞を読み、立ち去った。
次の日も、なぜ毎日ここに来て新聞を読むのかと尋ねるウラジミールに、ジャック氏は「あなたと話がしたいからです」と同じ答えを繰り返した。
ほどなくウラジミールは、「話をしたい」と自ら切り出してきたそうだ。ただし、スパイ活動に関する話はしないという条件付きだ。ジャック氏はこれを呑み、翌月までさまざまな話をしたという。
そしてある日の午後、ついにウラジミールは「これまでしてきたことを話す覚悟ができた」と明言した。それはジャック氏のことを「友人」と見なし、好きになったからなのだそうだ。
本書には人に好かれる公式が書かれている。