知名度を上げたかった。3つの教会を放火したブラックメタルのミュージシャン(アメリカ)
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ブラックメタルはヘヴィメタルのサブジャンルの1つで、楽曲演出はバンドにより様々だが、一般的に速いテンポのドラムに、金切り声のボーカル、高音域を強調したノイジーなギターサウンドや宗教的で荘厳なアレンジなどを特徴とし、サタニズムや黒魔術の傾倒といった反キリストを強く打ち出したバンドが多くあるとされている。
過去に、ノルウェーのブラックメタルミュージシャンによる複数の教会の放火や放火未遂事件が知られているが、去年4月にアメリカのルイジアナ州で起こった3件の教会への放火事件も、1人のブラックメタルミュージシャンによるものだった。
La. church fires suspect pleads guilty
・ブラックメタルミュージシャンが教会を放火
2019年4月11日夜、ルイジアナ州セントランドリー郡にある教会3件に放火した容疑で、当時21歳だった地元保安官代理の息子ホールデン・マシューズが逮捕された。

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ホールデンは、ブラックメタルミュージシャンであることをFacebookなどのSNSでシェアしており、知名度を上げる目的で、歴史ある黒人信者が多く通う3つの教会に単独で放火した。
放火に関しては10日間の計画を練り、夜中にガソリンと油を染み込ませた店のラグマットを使って建物に火を放ったとみられている。
そして放火の後、SNSで他のブラックメタルファンに犯行を自慢し、放火の動画や写真を送り付け、「なんて美しい(燃える)音なんだ」「全てを焼き尽くしてやったぜ」というコメントを友人にメッセージしていた。

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・ノルウェーのミュージシャンにインスパイアされて放火
逮捕後の取り調べで、ホールデンは90年代に教会を燃やし逮捕されたノルウェーの有名ミュージシャンの1人ヴァルグ・ヴィーケネスのように、自身のバンドPagan Carnageの次のアルバムカバーに、燃やした教会の写真を使用する予定だったことを明かした。
動機について聞かれると、「ヴィーケネスがしたように、キリスト教に対する十字軍として行われた教会への放火を模倣したかった」「ブラックメタルの歌詞やアルバムカバーのアートにインスパイアされた」「自己啓発のためにやった」と答えたという。
・父親の勤務する保安官局に逮捕される
3つの教会が歴史ある黒人教会だったことから、当初はホールデンの犯罪は「ヘイト・クライム」として位置づけられていた。
しかし連邦弁護人は、「被告人の行動は人種的な動機ではなく、教会をターゲットにしたのは単に燃えやすい木造建築だったからだ。ネット上で音楽コミュニティに受け入れてもらおうとするためだけの素朴な目的だった」と、ヘイト・クライム説を否定した。
教会を破壊された信者らは、最も神聖かつ守られた空間への襲撃に大きなショックを隠し切れない。そしてまた、ホールデンの父親も息子の犯罪に相当な衝撃を受けていることが報じられた。
捜査を担当したFBI捜査官は、「地域の教会をランダムに標的にして破壊した意識的な残虐行為は、会衆やセントランドリー教区全体に、激しい悲しみと痛みを与えている」と述べた。
宗教的建造物に対する3件の放火罪で起訴されたホールデンは、現在最大70年の禁固刑に直面しているという。
References:Oddity Centralなど / written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2020/02/17)本文を一部訂正して再送します。