仮面のような顔で自分をアピールするバッタ なぜそんな配色を? (2/2ページ)

新刊JP

本書の中で、海野さんの腕をつかんでいるリラトゥスオオナナフシは、体長300mm、脚まで入れると400mm以上になる大型のナナフシだ。村の人が捕まえてきたもので、体は豆に似ている。がっしりと腕をつかむその姿はなんとなく愛らしさを感じるような、感じないような。

ちなみに、世界最大のナナフシはボルネオのチャンオオトビナナフシで、脚まで含めた全長は567mmに及ぶという。

■尻に顔があり、後ろ向きに歩く「ウシロムキアルキ」

日本ではお尻をかじる「おしりかじり虫」の歌が流行したが、世界にはお尻に顔があり、後ろ向きに歩く虫、その名も「ウシロムキアルキ」がいる。

この「ウシロムキアルキ」という名前、実は海野さんが名付けたもので、「ヒロズアシブトウンカ」という昆虫の仲間。触角のような髭や、愛くるしい目玉のようなものがあることから顔に見える部分が実はお尻だ。
そして、なんと歩くときもたいていは「後ろ向きに歩く」のだそう。もちろん、前進も自由にできる器用さを持ち合わせている。

海野さんが一番撮りたかったというこの「ウシロムキアルキ」からは、擬態の凄みを感じ取れるだろう。

本書を通して伝わる昆虫の不思議さ。異様な模様をしていたり、グロテスクだと感じるほど数が集まり、集団を形成したり、はたまた飛べば「消えてしまう」羽根を持っていたり…。そうした神秘は、冒頭にも述べたように種を次の時代に残すための戦略によって生まれたものなのだろう。

人間の社会において「多様性」が重要視される中で、昆虫の多様性は目を引くものがある。

「私たち人間とは違った多様な生き方を選んで成功者となった昆虫の一端にふれていただければ」と海野さん。眺めるだけでも驚きばかりの一冊である。
ただし、昆虫が苦手な人、集合体恐怖症の人は閲覧注意だ。

(新刊JP編集部)

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