安倍首相「桜を見る会」答弁をホテル否定!「与野党サクラ大戦」史

日刊大衆

「桜を見る会」の前日に安倍晋三首相の後援会が主催した「前夜祭」を巡る17日の衆院予算委員会での首相答弁に関し、過去に会場となったANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)は同日夜、首相側とのやり取りに認識の違いがあると毎日新聞の取材に明かした。首相は、後援会とホテルのやり取りに関する野党からホテルへの質問に、ホテル側が「個別の案件は営業の秘密に関わる」などとして答えなかったとの趣旨の答弁をしたが、ホテル側は「”営業の秘密”と申し上げた事実はない」と説明した。

  

 と、2月18日の『毎日新聞』が報じたように、いまだに続く、安倍首相の”桜を見る会”に関する与野党の国会での論争。過去の経緯をここで振り返ってみる。

「きっかけは、首相が主催する“桜を見る会”に費やされる予算や人員が2014年以降増え続け、2019年には予算の3倍である5200万円になってしまったことです。そして2019年5月に、野党がこの問題を衆院決算行政監視委員会で取り上げたことにより、一気に問題が表面化しました」(全国紙政治担当記者)

 そして、招待客についても問題があると記者は語る。

「そもそも“桜を見る会”は各界に貢献した人物を慰労するのが趣旨の会です。一例を挙げると2019年度は将棋界からは“ひふみん”こと加藤一二三さん、魚類学者のさかなクン、お笑いからはメイプル超合金など、さまざまな分野の著名人が顔を並べています。

 そこに”政治家の支援者”を招待客に選んでいるのでは、という疑惑が浮上しているのです。分かりやすくいうと、安倍昭恵夫人や自民党議員の支援者ですね。それについて”行事を私物化しているのでは”とか”公職選挙法違反ではないか”といった批判があったのです」

 

招待客に関するリストが廃棄され…

 前出の全国紙政治担当記者が続ける。

「問題はここからです。疑惑に関する安倍首相の答弁や行動が、ことごとく野党側の不信感を煽るものばかりだったんです。

 代表的な例が”詳細な招待客リストの廃棄”です。5月9日に共産党の宮本徹衆院議員が招待者や実際の参加者の人数、費用明細など、詳細を紙面で提出するように求めたのですが、同日に内閣府人事が書類をすべて廃棄していた。これについて酒田元洋官房総務課長は”書類の数があまりに多かったため、大型シュレッダーを使う必要があった。しかし、利用が立て込んでいたために5月9日の利用になった”という旨の主張を野党ヒアリングで行いました。

 資料の廃棄については、廃棄から5か月後(2019年10月)に、内閣は文書保存基準に関する内規を変更していたんです。行事に関する文書保存対象の範囲を狭め、期間も”1年”から”1年未満”に変更しており、野党は”招待者名簿の廃棄を正当化できるよう後で内規を変更したのではないか”と反発しました。

 極めつけは招待客名簿の”電子データ”までが削除され、復元不可能とされている件についての答弁。電子データ復元の可能性について、安倍首相は”復元することは考えていない”という答弁書を12月10日に閣議決定しています。

 立憲民主党・中谷一馬議員は”ここまではっきり言うのかと驚いた。答弁書は安倍内閣の意思を示す最も重い文書だ。自分たちに都合の悪い公文書を隠したいという意図があるとしか考えられない”と批判していますね」(同)

 名簿の廃棄については一貫した姿勢の安倍首相だが、自身と招待客についての関係性については、発言が変わっている。

 11月8日の国会では”主催者としてあいさつや接遇は行うが、招待者の取りまとめには関与していない”と語気を強めていたものの、同月20日には”私の事務所が内閣官房の推薦依頼を受け、参加希望者を募ってきた。私自身も事務所から相談を受ければ意見を言うこともあった”と発言しているのだ。

前夜祭でのホテルとの見解の相違

 そして、問題が明るみに出てから約5か月、与野党の“サクラ大戦”は新たな局面に突入することになった。

「2月12日、国会で立憲民主党の辻元清美議員が、質問中に“鯛は頭から腐る。ここまで来たら頭を替えるしかない”と発言。これに対して安倍首相は“意味のない質問だ”とやじを飛ばし、各方面から批判を浴び、結局謝罪することになりました」

 その5日後の2月17日、さらに事態は進展。

「辻元議員が、桜を見る会の“前夜祭”について説明を安倍総理に求めましたが、ここで総理は重大な回答をしているんです。

 辻元議員は事前にかつて“桜を見る会前夜祭”に総理が利用したANAインターコンチネンタルホテル東京に問い合わせ、”明細書を主催者に発行しないケースはない”という旨の返事を得ていました。

 これに対して安倍首相は”ホテルに確認したところ(野党への)回答は一般論で、個別の案件は営業の秘密に関わるため含まれない”と答弁。しかも野党の”総理も書面でホテルから返答を受けるようにしてほしい”という要求に対して”疑問があるなら野党が改めて問い合わせるべきだ”とホテルへの書面での問い合わせを拒否したんです。

 さらに同日の夜、ANAホテル側が”一般論として答えたと説明したが、例外があったとは答えていない。明細書は例外なく主催者に送る”と、安倍首相の反論内容を否定したのです。ホテル側が明確に否定したわけですから、これからどうなることか……」(民放政治部記者)

 すでに今年度の中止は決まっている「桜を見る会」。はたして、桜が咲くまでには決着がついているのだろうか……。

 

 

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