低視聴率『麒麟がくる』向井理に寄せるNHKの期待

日刊大衆

低視聴率『麒麟がくる』向井理に寄せるNHKの期待

 長谷川博己(42)が主役の明智十兵衛を演じる大河ドラマ麒麟がくる』(NHK)は、イケメン化が話題だ。2月16日放送の第5話では眞島秀和(43)ら新キャストが登場し、SNSでは「イケメン侍パラダイスでした」「イケメンがさらに追加!」と、男前な俳優の連発を喜ぶ声があふれていた。しかしその中でも最注目は、やはり初登場だった向井理(38)ではないだろうか。まず第5話を振り返り、その理由を語りたい。

 斎藤道三(本木雅弘/54)は明智十兵衛が持ち帰った鉄砲に興味を持ち、その知識をより深めるため、十兵衛を京へと送る。十兵衛は鉄砲鍛冶の伊平次(玉置玲央/34)を探すべく本能寺を訪れると、三渕藤英(谷原章介/47)と再会し、将軍の足利義輝(向井理)と三渕の異母兄弟、細川藤孝(眞島秀和)と出会って……という展開だった。

 主役の長谷川博己はもちろんイケメンだが、脇を固める役者が回を重ねるごとにゴージャスになっていくのが『麒麟がくる』の面白さだ。第5話ではドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の武川役などで知られる実力派イケメンの眞島秀和が、後の戦国武将、細川藤孝として登場。いきなり十兵衛との真剣勝負を見せ、注目を集めた。

 ただ、この放送回でもっともインパクトを与えたのは、将軍姿の向井理だった。「向井理の公家感すげえ」「まぶしすぎるお姿」とSNSでも反響が大きかった。向井理のエレガントな雰囲気が、若き将軍、義輝に見事なまでにハマっていた証拠だろう。馬にまたがっている姿は華やか、かつ美しく、確かに公家感がハンパなかった。実はこの向井理が演じる義輝は、物語前半における準主役級の大役ではないかと筆者はにらんでいる。それには2つの理由がある。

 まずは、史実に基づくもの。向井理が演じる足利義輝は、室町幕府最後の将軍。弱体化していた将軍職を復権させるため奔走するも、最後は三好長慶の家臣、松永久秀(吉田鋼太郎/61)に倒されてしまう悲劇の人だ。また、義輝は剣聖、塚原卜伝に師事した剣豪でもあった。『麒麟がくる』は第1話、第2話と戦闘の場面を美しい映像で活写してみせたように、殺陣のシーンにこだわりが深い。剣豪の義輝を演じる向井理の殺陣は、物語前半のクライマックスとなりそうだ。

■NHKが向井理に寄せる期待

 そして次はNHKの思惑だ。実は昨年6月から今年の1月、『麒麟がくる』の放送直前までの夕方、向井理のブレイク作である連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』を再放送していたのだ。過去の名作とはいえ、なぜ今『ゲゲゲ』が? と不思議に思っていたが、再放送効果で朝ドラファンを大河に取り込みたいというNHKの思惑があったのだろう。

 昨年の『まんぷく』長谷川博己が『麒麟がくる』で主演し、『なつぞら』に出演していた染谷将太(27)が織田信長を演じるなど、最近、朝ドラと大河の関係性はより強固になっている。この再放送は朝ドラと大河がタッグを組んだ、一種のプロモーションだったのだろう。第5話では雅な公家姿をのぞかせただけだったが、NHK的には、向井理にかなりの期待を寄せていると考えられる。今後、義輝がスポットライトを浴びる機会は、増えるに違いない。

 NHKには2015年に高良健吾(32)や伊勢谷友介(43)を起用し、“イケメン大河”といわれた『花燃ゆ』で視聴率を落とした、苦い経験がある。今回は、朝ドラファンが好みそうな、手堅いイケメンをそろえて視聴者を囲うつもりなのだろうが、はたしてどうなるか?

 昨年『いだてん〜東京オリムピック噺』の視聴率がさんざんだったこともあり、大河はまさに背水の陣。ここのところ『麒麟がくる』の視聴率は不調だが、向井理はじめイケメンたちには、ぜひこの状況を打開する、力ある演技を期待したい。(ドラマライター・半澤則吉)

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