仲間の犬が交通事故に。誰かが助けてくれるまで何時間も傍で見守り続けた犬(アメリカ)

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仲間の犬が交通事故に。誰かが助けてくれるまで何時間も傍で見守り続けた犬(アメリカ)
仲間の犬が交通事故に。誰かが助けてくれるまで何時間も傍で見守り続けた犬(アメリカ)

image credit:Ednna Almeida/Facebook

 路上で厳しい生活を強いられる野良犬同士の間には、飼い犬よりもいっそう強い仲間意識があるのだろう。アメリカのカリフォルニア州の路上で発見された野良犬は、まさにそんな2匹だった。

 怪我をして横たわっている仲間の傍を片時も離れることなく、助けを待ち続けていたその犬は、やがて助けが現れると「友達がきちんとケアされるのを見届けるまでは」と言わんばかりに、傍に寄り添い続け、病院までついて来たという。
・道路脇で何時間も救助を待っていた2匹

 カリフォルニア州マスコイの道路脇に2匹の野良犬らしき犬がいるのを、恐らく多くのドライバーたちが目にしただろう。

 2匹のうち1匹は、横たわっていて動くことが困難な様子だった。その傍には小さな犬がいて、助けを待っているようだったが、誰一人として車を停めるドライバーはいなかった。

 何時間も過ぎたが、2匹は辛抱強く救助を待ち続けた。そしてついに、救いの手が差し伸べられたのだ。



・救済施設のスタッフにより2匹は保護される

 非営利団体『Dream Fetchers : Project rescue』の救助スタッフであるフェイス・イーズデールさんは、ドライバーの1人から「道路脇に犬が横たわっていて動かない」と連絡を受け、もう1人のスタッフと一緒に現場へと向かった。

 ジャーマン・シェパード・ドッグのマーリー(後に命名)は、ひどい痛みに苦しんでおり、呼吸も激しく、助からないかもしれないほど容態が悪そうだった。

 直ちに、獣医院へ運ぼうとマーリーを車に運び入れようとしたが、マーリーはかなり重く、動かすことは容易ではなかった。

 傍にいて見守っていたフワフワした毛の小さな犬マーフィー(後に命名)は、マーリーが運ばれる時も傍を離れたがらず、ついて来ようとした。

 そこでスタッフは2匹を車に乗せ、急いで獣医院へ向かった。車内の後部座席では、横たわるマーリーのお腹に小さな頭を置いたマーフィーの姿があった。



2匹の犬は、まるで1つ目の困難を乗り越えたかのような安堵の雰囲気を漂わせていました。マーフィーは苦しむマーリーを労わっているかのように見えました。(フェイスさん)


・獣医院で診察の結果、マーリーの妊娠が発覚

 獣医院で診察とX線検査を受けたマーリーは、多くの骨折をしていることが判明した。そして同時に、11匹の赤ちゃんを妊娠していることもわかったのだ。

 マーフィーは、マーリーが治療をしてもらっている間も、辛抱強く獣医院で待っていた。



 そして数日経つと、マーフィーは「マーリーは良い人たちにケアされている」と悟り始めたようだ。





 一旦、仲間のマーリーが大丈夫だとわかったマーフィーは、妊娠しているマーリーをそっとしておくことに決めたようだ。

 そんな2匹の様子を見て仲睦まじい友情を感じたフェイスさんは、「マーフィーに良い飼い主を見つけてあげたい」と思った。


・マーリー、元気に11匹の子犬を出産

 マーリーは骨折で激しい痛みを抱えていたが、元気な11匹の赤ちゃんを無事に出産した。



 2本の脚がギプスで覆われていても、マーリーは子犬の母親としてめいっぱいの愛情を注ぎ、気配りをしているようだった。



 マーリーの骨折が完全治癒するまでは2年の月日がかかったが、複数の獣医師やケアスタッフ、そしてマーリーの新しい飼い主のおかげで、現在走り回れるほど元気に回復したという。



 2年前の出来事を振り返り、フェイスさんはこのように語っている。

マーリーは、とても強いお母さんでした。妊娠中は大変な思いをしたでしょうけど、よく頑張りました。

今では、子犬たちはすっかり成長して、それぞれの飼い主宅へ引き取られて行きました。マーリーも、飼い主宅で元気に幸せにしています。

そしてマーフィーも、飼い主が見つかって幸せに暮らしています。みんなハッピーエンドになったことを何より嬉しく思います。

References:Paws Planetなど / written by Scarlet / edited by parumo
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