酒豪な子供もいた?未成年の飲酒が禁止されたのは大正11年…でもそれ以前はどうなってたの?

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酒豪な子供もいた?未成年の飲酒が禁止されたのは大正11年…でもそれ以前はどうなってたの?

芸能人も厳しく取り締まられる未成年の飲酒。昔はどうだったの?

近年、若手タレントが「未成年飲酒」で取り締まられるニュースを目にする機会が増えました。

また一般人でも、スーパーやコンビニなどでお酒を購入するときの「年齢確認」が必須となり、昔のように「子供が親のお使いでお酒を買いに行く」ということは難しくなってきています。

しかし、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』でビートたけしさんと森山未來さんによって演じられた5代目古今亭志ん生(1890~1973(明治23~昭和48)年)の自伝『なめくじ艦隊 志ん生半生記』には、現代の感覚からするとなんだか奇妙なことが書かれています。

「13、4の頃から酒屋の前へ突ったって、ひや酒をガブガブと飲んだんですから、末おそろしい子供だったんですよ。エエ、その頃は酒屋でも平気で酒をのませてくれたんですよ。子供にだって…」

どうやら明治時代には、子供の飲酒は特に禁止されていなかったようです。

では日本で未成年の飲酒が禁止されたのはいつからで、そこにはどのような事情があったのでしょうか?

未成年の飲酒は取り締まられていなかった!

未成年の飲酒が法律で取り締まられるようになったのは、1922(大正11)年4月1日に、現在の「未成年者飲酒禁止法」にあたる「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」が施行されて以降のこと。

それ以前は未成年者飲酒への取り締まりは特になく、大人のお酒の席で子供がお酒を口にすることは珍しくはありませんでした。

しかし、さすがに志ん生師匠のように子供の頃から酒豪!という人は稀だったものの、一般的に大人と比べ判断力の甘い未成年者が酒を覚えて身を誤る例が多かったのは、残念ながら事実のようです。

そのため満20歳未満の者の飲酒を禁止し、未成年者の親権者や監督代行者に対しては飲酒をさせない義務を課す法律が作られるに至ったのでした。

この法律は施行当初から、

・未成年者が1滴でも飲酒したら残りの酒は没収
・本人とその親・酒を飲ませた者・売った者に対して10円以下の罰金
(当時は上等酒が1升で2円50銭)

と、かなり厳しいものでした。

それでも、未成年飲酒の逮捕者第1号は、早くも法律施行当日の正午に出てしまったというのだから驚きです。

未成年飲酒禁止の波紋は…

さてこの法律の施行により「お酒を飲むのも仕事のうち」である未成年の芸者さんや舞妓さんは、かなりの苦労を強いられることになってしまいました。

現代では舞妓になれる条件は「中学卒業後の15歳から」となっていますが、昔は小学生くらいの年齢の舞妓も少なくなかったのです。

近年では未成年の飲酒に対する取締まりが特に厳しくなっているため、未成年の舞妓さんは「お酌はしても自身は飲まない」ということが多くなっているそうですね。

角が立たないようにお酒を断ることも、若い舞妓さんの大切なスキルの1つになったようです。

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