陸上自衛隊が壊滅 もろさを露呈した訓練とは? (2/2ページ)

新刊JP

空砲の射撃とともにビームが発射され、命中すると損耗が付与される交戦装置を使って行われるのだが、ほぼすべての部隊が短時間で壊滅させられていたという。

作戦活動で必要なはずの「敵についての情報収集」が、普段の訓練ではなおざりにされているため、その役目を担う「斥候」が鍛えられていないのに加え、「シナリオ通り」の訓練に慣れすぎて、不慮の事態に対応する力が養われていなかった。陸自の各部隊は、自分たちの手口を熟知している相手に対して、ほとんど無力であり、部隊が相手からの攻撃で混乱した時に戦局を立て直す術がなかったのだ。

ただ、陸自の中にはこうした現状に危機感を持つ面々もいた。

彼らは各所で連携して「どの部隊が一番強いか」を決める戦闘競技大会を企画した。これが陸自にとってのターニングポイントになったようだ。各部隊が、陸自の教範から離れて、「勝つための戦法」をそれぞれに研究する土壌が育っていった。

たとえば、第一回の大会では、ほとんどのチームは陸自の教範にある「戦力の集中」という原則に基づいた作戦を決行したが、その原則の逆をついて、敵部隊を包囲するように各隊員を分散させたある部隊の作戦行動に歯が立たず、敗れ去った。

その結果を分析し、この部隊の作戦を打ち破るための議論と訓練が行われた結果、次の大会ではより優れた部隊が現れた。こうして、実戦的な訓練を通して、教範にこだわらない「本当の強さ」を追求するようになっていったのだ。

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本書では、形式的な訓練から脱し、本物の戦闘で生きる能力を身につけることに目覚めた陸自の取り組みが、元自衛官の手で明かされている。自分たちの課題をどう発見し、対処していくか。または、勝てる戦術をどう組み上げていくかという点で、陸自の取り組みはビジネスとも共通するところがある。多くの人にとって気づきがある一冊だ。

(新刊JP編集部)

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