陸上自衛隊が壊滅 もろさを露呈した訓練とは? (1/2ページ)
有事の時に、国民や国土を守る自衛隊。
しかし、当然ながら自衛隊には実戦経験がない。「自衛隊ってどのくらい強いの?」という疑問を持つのが自然だろう。
この疑問を考える一つのヒントが自衛隊の訓練にある。
■陸上自衛隊の連隊が壊滅させられた「訓練」ひと口に「国を守る」といっても、必要とされる能力は多岐にわたる。他国からのミサイル攻撃から国土を守るには精度の高い防空システムが必要だし、万が一他国の部隊が日本の市街地に侵入した場合を想定して接近戦での戦闘能力も磨き上げなければいけない。仮に他国の部隊に国内のある場所を占拠されたとしたら、その場所を奪還するために、その場所に侵入し、相手を攻撃する能力も必要だろう。
陸上自衛隊第40普通科連隊長を務めた経験を持つ二見龍氏は、著書『自衛隊最強の部隊へ-戦法開発・模擬戦闘編: 敵の戦闘重心を打ち砕く”勝つため”の戦い方』 (誠文堂新光社刊)で、陸上自衛隊がこれまでどのように「実戦」での戦闘能力を高めてきたかを明かしている。
かつての陸上自衛隊の実戦での戦闘能力が端的に表れているのが、富士駐屯地にある「富士トレーニングセンター(以下、FTC)」での訓練だ。FTCには全国の駐屯地の普通科連隊と戦う相手役として「評価支援隊」という部隊があり、各地の普通科連隊はより実戦に近い訓練を行うことができるという。
「より実戦に近い」というのは、裏返せば普段の訓練は実戦とは遠いということでもある。二見氏によると、陸自の普段の訓練で重視されるのは「指揮官が自分の部隊を自由自在に動かせたか、あるいは隊員は苦しい状況の中、頑張っているかどうか」。実戦で必要とされる相手部隊の情報収集などは重視されない。その結果、指揮官は形や体裁を整えることを重視してしまい、訓練はあらかじめシナリオが決まっている「劇」のようになりがちだったという。
こうした訓練に慣れている部隊がFTCの「評価支援部隊」と戦うとどうなるか。
訓練は各部隊がFTC「評価支援部隊」の陣地に接近し、攻撃を仕掛けるという想定で行われた。