正しい「歯ブラシ」の使い方!「かける力は150グラム」だけ!

日刊大衆

画像はイメージです
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 健康志向の強い昨今、歯磨きは朝と夜の2回、職場にも歯ブラシを置いているという読者諸兄も少なくないだろう。しかし、80歳、さらには100歳になっても歯が残る磨き方をしている人は少ないというのが現実だ。

 首都圏でデンタルクリニックを開業する歯科医が説明する。「最近、うちに通い始めた60歳の患者さんですが、6本しか歯が残っていないんですね。この方も朝と夜の2回、キチンと磨いていると申告していましたし、40代までは歯の心配などなかったそうです」

 異変が起こったのは53歳のときだったという。「冷たい水がやけにしみ、やがてズキズキと痛くなってきたそうです。最初は痛み止めでごまかしていたようですが、歯科医に駆け込んだところ、歯周病と診断され、いきなり2本抜歯することに。その後の進行は早く、グラグラしている歯を触っていたら、いきなりポロッと抜け落ちたりして、櫛の歯が欠けるがごとく、アッという間に6本になってしまったそうです」(前同)

 以来、目に見えて食欲がなくなり、体型もやせ細ってしまったという。

 しかも、歯の病は口の中だけにはとどまらない。「歯周病になると、歯周病菌が動脈硬化を招いて血流が悪くなり、EDになる可能性が大幅に上がるという研究結果もあります」(歯科大学研究医)

 勃起力が不足するだけならまだしも、本当に恐ろしいのは生命を危険にさらす可能性もあることだ。

「歯周病による動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞による心臓発作を引き起こし、突然死のリスクがグンと高くなるんです。事実、歯周病の人は、そうでない人と比べて約3倍も脳梗塞になりやすいという研究報告もあります」(前同)

 また、歯周病は血糖値や血圧を上昇させ、メタボリックシンドロームを助長。誤嚥性肺炎や認知症の引き金にもなるという。

 歯が抜けると、食事や性の楽しみだけでなく、生命を脅かす重大病さえ招いてしまう。さて、ここで歯磨きをキチンとしているという読者諸兄にも警鐘を鳴らしたい。皆さんは歯磨きのとき、どこを、どのように磨いているだろうか。

「歯周病菌に効くという練り歯磨き粉を使い、歯の根元あたりをゴシゴシとやっている」こんな御仁も多いかと思われるが、実は、このやり方では100歳どころか80歳までも歯を保てないという。

■詳しい歯磨きのやり方

『100歳まで自分の歯を残す4つの方法』(講談社)などの著書がある『サイトウ歯科』の齋藤博院長が、歯を残す歯磨きを解説する。

「ただ歯茎をゴシゴシとこするのではなく、きちんと歯周ポケットからプラークという歯垢を除去しなければ、高齢になって歯を保つことは難しいんですよ」

 サイトウ歯科の患者には、90歳を過ぎても健康な歯が並んでいる人が大勢いるという。

「こうした方々は正しい歯磨きの仕方を学び、長年実践されています。歯を守れるかどうかは、正しい歯磨きにかかっているんです」(齋藤院長=以下同)

 ちなみに、歯の健康を維持している人たちも特別な歯ブラシや歯磨き粉を使っているわけではなく、同歯科に来院するのも3か月に1回程度。来院時に、ふだんの歯磨きでは取り切れない歯石を除去しているぐらいだという。

 では、どんな磨き方をすればいいのか。磨き方のポイントを詳しく解説していこう。

 歯周病を予防する歯磨き法の一番のポイントは、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の間、つまり歯周ポケットにしっかり入れることにある。そのうえで、毛先で歯周ポケットの中にあるプラークをかき出すように動かす。歯ブラシの角度はポケットに入りやすいよう、斜め45度にする。また、歯ブラシは、“横にゴシゴシ”でなく、毛先をポケットに入れた後、柄の部分を2〜3ミリぐらい“モジモジ”と動かす。毛先を動かすのではなく、柄でプラークを取り除くイメージだ。

「ポケットに入ったプラークは粥状になっているんですが、そんなに強く歯ブラシを動かさなくても除去できるんです。私は患者さんに150グラムぐらいの力を入れるようにと説明していますが、これ以上の力で強く押さえて動かすと、逆に歯肉部分を摩耗してしまう危険があります」

 高齢になると、歯肉が下がって歯が長くなるのは、歯ブラシを押さえつけて磨きすぎることも原因。これでは、歯磨きで歯周病を抑えるどころか、むしろ歯周病を招いてしまうこともあるという。

 現在発売中の『週刊大衆』3月30日号では、プラーク除去に向いている歯ブラシの選び方も紹介している。

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