巨人の菅野智之、ソフトバンク柳田悠岐…プロ野球「魔球&打棒」本当の破壊力

日刊大衆

写真はイメージです
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 超一流の選手が持っている「武器」は、プロの世界でもひときわ輝く。その世界屈指の威力を解き明かす!

 今季も筒香嘉智、秋山翔吾、山口俊といったスター選手がメジャーリーグに移籍したが、まだまだ国内にはとんでもない才能を持った選手が残っている。「日本人投手はレベルが高く、各球団のエースクラスは即メジャーの一線級。さらに言えば、野茂英雄のフォークしかり、田中将大のスライダーしかり、大活躍する選手は“最強の武器”を持っていることが多いですね」(球界関係者)

 分かっていてもバッターが打てないウイニングショット――。現在、国内最高峰の投手である巨人・菅野智之(30)も、そんな“魔球”を操る投手だ。「菅野といえば、なんと言っても“消えるスライダー”。直球のような軌道から、真横に大きく曲がるので、まるでボールが消えたように見えるそうです」(スポーツ紙記者)

 この球を武器として、菅野は沢村賞2回、最多勝2回、最優秀防御率4回など、多くのタイトルを獲得。しかし、菅野の真骨頂はスライダーではないという。「彼の最大の持ち味は、コントロールの良さ。スライダーのみならず、豊富な球種を自在に操れるのが強みです。あの“ミスター”も、菅野をキャンプで初めて見た際、何よりも制球力を絶賛していました」(番記者)

 今季、フォーム改造に取り組んでいる菅野。2月29日のヤクルトとのオープン戦では、5回1失点と順調な仕上がりを見せた。「この試合、空振りが欲しい場面で決め球のスライダーだけでなく、フォークボールを投げていたのが印象的でした。もしかしたら、“新たな武器”を模索中なのかもしれません」(前同)

 フォークといえば、福岡ソフトバンク・千賀滉大(27)を忘れてはいけない。野球評論家の里崎智也氏も、「今の球界でナンバーワン。打席で見たことはありませんが、彼のフォークボールは別格でしょう」と、千賀の“お化けフォーク”を絶賛する。「千賀のフォークは落差が大きいだけじゃなく、打者から見て、一瞬浮き上がってから落ちるんだそうです。しかもコースを狙って落としてくるから、よけいにやっかいなんだとか」(スポーツ紙デスク)

 昨季、千賀は令和初のノーヒットノーランを記録。さらにはリーグトップの227三振を奪い、初の奪三振王にも輝いた。東京五輪を控える今季、さらなる活躍が期待されるが、「千賀は右ふくらはぎの違和感のため、ファームで調整。3年連続の開幕投手はおろか、1軍も厳しい状況です」(前同)

■横浜DeNA山崎康晃はツーシームを

 さて、落ちる変化球は、フォークだけではない。横浜DeNA・山崎康晃(27)は、ちょっと変わった落ちる球を武器にしている。「山崎のウイニングショットは“魔のツーシーム”。ツーシームと言えば、普通はシュート系の横に変化するボールですが、彼の場合は縦にストンと落ちるのが特徴です」(球団関係者)

 山崎は、このボールを投げる際、指を広げて握っている。“実はフォークでは?”と指摘する声もあるが、本人は“ツーシームです”と譲らないのだという。「山崎がこれまで163セーブを奪い、2018年から2年連続でセーブ王になれたのは間違いなく、この球種あってこそ」(前同)

 そんなツーシームの威力を野球評論家の藪恵壹氏は、こう解説する。「ストレートの軌道で迫ってきて手元で急に落ちるから、打者はキリキリ舞いしてしまう。普通の投手と落ちる角度が違うんです。本人はツーシームと言い張っていますが、あれは“フォーク”ですよ(笑)」

 現在の野球では、スライダーやカットボールといった球種が中心で、かつての変化球の代名詞カーブを投げる投手は、めっきり少なくなった。だが今なお、これを武器にする投手もいる。「長嶋さんは以前、“いいスライダーを持っている投手がカーブも投げるとなると、バッターとしては非常にやっかい”と、カーブの効果について語っていました」(ベテラン記者)

 そんなカーブの使い手として注目したいのは、広島のドラ1ルーキー・森下暢仁(22)だ。3月1日のオープン戦では、中日相手に3回1安打無失点と好投。他球団のスコアラーをクギヅケにした。「森下のカーブは縦に大きく割れる、昔で言う“ドロップ”です。キレがバツグンで、この球を見た張本勲さんは、早くも新人王候補に挙げていました」(前同)

 さらには、ソフトバンク・武田翔太(26)が投げる“急速カーブ”も覚えておきたい。「曲がってから加速してくる」(里崎氏)「急激に変化して、ボールだと思ったらストライクになる」(藪氏)

 2人の球界OBが口をそろえて称賛するだけで、その魔球ぶりが分かるだろう。

■ゴールデンルーキー佐々木朗希は大物の片鱗

 ウイニングショットといえば変化球というイメージがあるが、球界には“速球”を最大の武器にする投手もいる。その筆頭が、オリックス・山本由伸(21)だ。打者の手元でグーンと伸びる“怒涛のストレート”は、最速158キロを誇る。

「昨年、高卒3年目ながら、防御率1.95でタイトルを獲得。プレミア12でも、セットアッパーとして侍ジャパンの優勝に貢献しています。まさに、次世代の剛腕投手です」(前出の記者)

 その剛球は、敵であるソフトバンクの王貞治会長をも唸らせた。「王さんは“球に力があるし、まだまだ伸びしろがある”と、山本を高く評価。日本を代表するエースになってほしいと期待していました」(旧知の記者)

 山本同様、将来の剛速球投手として大きな注目を集めているのは、千葉ロッテ・佐々木朗希(18)。高校時代に最速163キロをマークしたゴールデンルーキーは、すでに大物の片鱗を見せつけているようだ。

「佐々木は肩甲骨、股関節の可動域が、とにかく広い。これが、しなやかな腕の振りと安定したフォームを支えているんでしょう。見た目以上に体も強そうで、キャンプを訪れた評論家たちはみんな絶賛していました」(別のスポーツ紙記者)

 ただし、球団側は佐々木をじっくり鍛えていく方針という。今から期待が膨らむばかりだ。

■豪快打法の埼玉西武・山川穂高

 メジャークラスのハイレベルな投手陣に対して、野手も負けてはいない。ここ数年、とびきりの“超打棒”を誇るバッターが確実に育ってきているのだ。その代表格は、“豪快打法”で名を馳せる埼玉西武・山川穂高(28)だろう。「彼の魅力は、なんと言っても全打席ホームラン狙いのフルスイング。100キロ以上の巨体ですが、体がとても柔軟で、体勢を崩されても強い打球を打てるのが特徴です」(西武担当記者)

 里崎氏は2年連続で本塁打王を獲得した日本屈指の長距離砲を、こう分析する。「体格、フォーム、力、スイングスピードと、すべてが完璧。山川はホームランを打つためのすべての条件を備えています。でなければ、あれだけホームランを量産できませんよ」

 山川と同じ強振タイプでも、ソフトバンクの柳田悠岐(31)は少々違う。「柳田がすごいのは、フルスイングで逆方向に飛ばせること。逆方向にホームランを打てる打者は他にもいますが、まるで引っ張るかのように流し打ちできるのは、柳田だけ」(鷹番記者)

 そんな柳田の“戦慄のフルスイング”は、王会長の後押しがあってこそ完成したものだったという。「柳田の入団直後、王さんがファームのコーチ陣に対して“打撃フォームに口を出すな”と厳命したのは有名な話。柳田の才能を見抜いていた王さんもさすがですが、期待に応えて成長した柳田も大したものです」(前同)

 逆方向の長打という点では、巨人・岡本和真(23)の“広角猛打”も負けてはいない。「岡本は、2018年に打率3割9厘、33本塁打、100打点でブレイクしましたが、その要因は左右に伸びる打球を飛ばせるところ。実際、不調といわれた昨年も31本塁打、94打点をマークし、前年の成績がマグレでないことを証明しています」(球界事情通)

 2月29日のオープン戦でも、岡本は逆方向のライトスタンド中段に、豪快な一発を叩き込んでいる。「かつて、若かりし頃のミスターも、逆方向に強い打球が打てることを評価されていた。岡本も、ミスターのように“巨人不動の4番”になってほしいですね」(当時を知る元記者)

 アベレージヒッターに目を向けると、西武の若きヒットメーカー・森友哉(24)が群を抜く。「どんなコースもヒットゾーンに打ち返す“驚異のバットコントロール”は絶品。タイミングを外されても、体勢を崩しながらでも、きっちりミートするんですから、すごいですよ」(スポーツジャーナリスト)

 170センチと小柄ながら、その打撃センスは大阪桐蔭高時代から定評があった。「昨季、打率3割2分9厘で、捕手としては史上4人目となる首位打者を獲得しましたが、今後もまだまだ獲れそうですね」(前同)

 今季も一流選手たちの絶技で楽しませてもらおう!

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