吸血コウモリは仲間が病気になると社会的距離をとっている。ただし家族の絆は強い(米・パナマ共同研究) (3/3ページ)
研究グループはその理由を、病気で元気がなくなったコウモリは仲間の身繕いをしてあげることが少なくなるので、その返礼として身繕いをしてもらう頻度も減るのではないかと推測している。
一方、生存には必須の習慣であると考えられるエサのシェアについては、病気の個体も健康な個体もこれを止めてしまうことはなかったとのことだ。
病気のコウモリは、細菌の注射を受ける前に断食をしていたので、とにかくエサを必要としていた。病気の個体が仲間の口を舐めて、食べ物を分けて欲しいとせがむと、その仲間はきちんと血液を分けてあげたそうだ。
つまり唯一観察された変化は、病気になったコウモリが家族以外の仲間の身繕いをあまりしなくなったということだ。これが人間界でいうところの社会的距離に似た行動ということになるのだろう。
・チスイコウモリの家族の絆は強い
まが、病気が流行しているときでも、チスイコウモリの家族構造は維持された。病気かどうかに関わりなく、母親は子供にエサを与え続けていたという。
このことは、病気になったコウモリは元気がなくなり、外での社会行動を控える一方、血縁にある家族同士の交流までが完全にストップしてしまうわけではないことを示している。
「これは人間の社会的距離戦略に似ているかもしれません。独りきりで完全に引きこもってしまうのではなく、そうしたときでも、家族と一緒に暮らしていて、多少なりとも触れ合いがあるでしょうから」と研究グループのセバスチャン・ストックマイアー氏は説明している。
References:massivesci./ written by hiroching / edited by parumo