―あのコの恋愛事情― #どうしたらずっと恋人でいられるの? 編
皆さんこんにちは。15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。ネイルサロンは不思議な空間。
手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。そんなサロンワーク中のみんなの恋のお話を切り取ってお送り致します。
※許可を頂いたものだけ掲載しています。※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。
誰もがそう思うはずなのに、どうして別れはやってきてしまうのか。ずっと一緒にいるカップルたちは、私たちと何が違うんだろうか?サトミさんは30代。先日、長年付き合った彼と結婚したばかりだ。といっても、順風満帆だったわけではなく、何度も別れて疎遠になっている。
じゃ、なぜ復縁できたのか?結婚でまで漕ぎつけたのか?「ふたりで一緒にグレードアップしてきた気がするんですよ」サトミさんはそういって笑った。「ケンカ別れして彼の悪口を言いふらした日もあれば、私が浮気してしまって悪口を言いふらされた日もあるんです。疎遠になって、お互いが別な人と付き合って幸せにしていると風のウワサに聞いた日もあれば、時々思い出して『何してるかな?』と思う日もあったんですけどね。」
「自分の悪口を聞いた時って『何だとー!!!」て、ものすごく頭にくるんですけど、しばらくたつと、あぁ、相手はそんな風に思ってたんだなぁーと冷静に思ったりするんです。そんなつもりじゃない一言の受け取り方とか、そんなつもりじゃない時間の過ごし方とか。
恋人同士も、大切なのは『コミュニケーション』なんですよね。友達に対して『私に優しくしろ!』とか『私を大事にしろ!』なんて思わないじゃないですか?でも、つい恋人に対しては色々求めてしまう。時間と距離をおいて、彼の不満や本当に望んでたことに気付いたし、彼もそうだったんじゃないですかね?
完全に別れて数年経った頃、東日本大震災があったんです。ふと私から『無事ですか?」てメールしたのが最初のキッカケで。お互い、無事を確認してホッとして。
そのときはまた疎遠になったんですけど、それから半年後くらいにまた彼からメールが来て食事に行ったんです。そしたらなんか、ふたりとも前より優しくなれたっていうか・・・」
そこからは、日々ふたり寄り添って、いつの間にか時間が過ぎたらしい。どうして恋人には「もっとこうして欲しい」って思うんだろう?友達を大切にするように恋人を大切にできたら、すれ違いも少ないはずなのに。
そして、どうして「こんなにいろいろやってあげたのに!」て思うのだろう?相手が望んだことではなく自分が「これやってあげたらうれしいでしょ?」て押し付けているだけなのに。サトミさんカップルは、離れて冷静になってみたら、実は自己中心的だった自分の恋愛のやり方にふたりとも気付いたことが再スタートのキッカケになった。
別れたあとって、相手を悪く言って「別れて良かったね!」て言ってもらうことで心が救われるような日もあるけれど、「もっとこうしてあげれば良かった」という相手を想う自分に気付けたりもする。
「もっと相手を思いやれたかもな。」お互いがそこから目をそらさなかったことが、結婚へ結びつくスタートになったんだと思う、とサトミさんは振り返る。「もっと愛して欲しい」「もっとこうして欲しい」付き合っているときって、自分が相手に「こうしてあげたい」と思うことは、案外独りよがりなことが多い。その「彼のために」は本当に彼が望んだことなのかどうか?
お互いがお互いを想って「相手が望む」自分がしてあげられることは何か?を深く考えたり、相手を責める前に、自分の未熟者さも認めたり。コミュニケーションのもっとも基本的なことに、ふたりが気付けるかどうかが、長く一緒にいられるかどうかの瀬戸際なのかもしれない。(川上あいこ/ライター)
(ハウコレ編集部)