新年度に教養を学ぶならこの一冊。脳を通して理解する「人間」という存在 (2/2ページ)

新刊JP

■容姿と知能の相関関係はある? ない?

IQ(知能指数)は頭の良し悪しを計る数値として、センセーショナルに使われることがある。とはいえ、IQテストの成績がよくても記憶力が高いとは限らないし、友人、親、配偶者としてふさわしいとも限らない。一方で平均的なIQで億万長者になった人もいるはずだ。

もちろん、そうしたギャップが見受けられるとしても、IQの高さがよい仕事につき、よい給料をもらう傾向があると著者は説明する。そこまでは想像できる。ただ、それだけではない。
容姿と知能の高さの関係に相関があるとすれば――あなたはどう思うか?

イギリスでは、1万7000人の子どもに対して、1995年から2011年にわたり知能テストを受けさせ、なおかつ互いに全く関係のない複数の教師が、被験者の容姿を評価するという調査が行われた。その結果、肉体的に魅力的であることと、知的であることは相関関係があったという。
さらにこの研究はアメリカでも2万人の若者を対象に8年間にわたって行われており、同様の相関関係が分かっている。

この調査が示されて以降、相関関係の論拠をさまざまな研究者が探してきた。知能と容姿は心身の健やかさのあらわれと言う人もいれば、長年の自然選択の結果である――つまり、遺伝的な要素だと言う研究者もいるという。

■クリエイティブな脳を作るために必要なのは高いIQではない

しかし、その一方で、新しい何かを作る「クリエイティブ」の能力は、高いIQをマークする必要はないとも著者は言う。平均的な人間の脳を備えていれば十分だ。

クリエイティブな脳になるには、明らかに役に立ちそうではない印象や記憶をも受けとめる必要がある。これらは、互いに関連のないもの同士を結び付けていくことに役立つという。
想像力は人間の特権である。今に至るまで、人々は物語や民話をつむぎ、それをその時に応じてアレンジし、理解をして、想像力を膨らませてきた。

「自分はIQが低い」と思っていても大丈夫。文化がもたらす本や芸術、建築、そして他者との交流の中で刺激を受けることが、あなたを成長へと向かわせるのだ。

本書では、日常のちょっとした出来事などを使って脳や人間を科学的に説明する、知的好奇心をかきたてる一冊だ。

「記憶」「思考」「パーソナリティ」「味覚/感覚」「脳と薬物」など、触れている話題は幅広い。脳の世界を知ることができれば人間の持つ可能性を、そして自分自身の持つ可能性を感じることができるはずだ。

(新刊JP編集部)

「新年度に教養を学ぶならこの一冊。脳を通して理解する「人間」という存在」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る