野生動物保護施設の職員ら、動物たちの世話のために園内施設で自己隔離(イギリス)

カラパイア

野生動物保護施設の職員ら、動物たちの世話のために園内施設で自己隔離(イギリス)
野生動物保護施設の職員ら、動物たちの世話のために園内施設で自己隔離(イギリス)

image credit:Paradise Park/Facebook

 現在、世界の多くの地域が新型コロナウイルスのパンデミックにより封鎖中だ。ほとんどの人は自宅で自己隔離をしているが、中には事情があり自宅以外の場所で待機中の人もいる。

 コーンウォール州にある野生生物保護施設の職員たちも、動物の世話を続ける必要があり、職場と自宅の往復により家族に危険を晒さないようにするため、園内の施設にて自己隔離をしている。
・ロックダウン(封鎖)措置で休館中も勤務する職員たち

 パンデミックの最中でも、働くことを求められるのは最前線にいる医師や看護師だけではない。

 スーパーや配達スタッフに加え、動物たちの世話をしている動物園の職員も職務を怠ることはできない。

 イギリスのコーンウォール州ヘイルにある野生生物保護施設『パラダイス・パーク(Paradise Park)』は、現在ロックダウン措置のため一時的に閉鎖中だが、職員たちはこのような状況でも施設内の動物たちに質の高い世話を与えるため、普段と変わらず勤務しながら、一方で自身の健康と安全を保ち、家族を危険に晒すことから予防しなければならない。



 職員の中には脆弱な家族メンバーを持つ者もおり、自己隔離についての要請がなされた時、仕事から離れて家族と共に自宅隔離するか否かの決断を迫られた。

 そこで、職員のうちの4人が敷地内にある施設で自らの家族と離れて自己隔離をする決断をした。

 そうすれば、最悪通いのスタッフが全て働けなくなったとしても、4人でなんとか動物たちの世話をしていけると思ったからだ。



 現在4人は、互いに社会的距離を置きながら園内で動物の世話に励んでいる。



・施設内では1200羽以上の鳥と複数の哺乳類を保護

 パラダイス・パーク内には、約1200羽の鳥の他、レッサーパンダやアカリス、アジアカワウソやカヤネズミなどの哺乳類がいる。



 これら全ての動物たちを世話することは、パンデミックでなくても大変なことだ。しかし、今は少ない職員でなんとか世話をこなしている。



 動物たちは、訪問者のいなくなった施設内でどのように感じているのだろうか。職員のひとりはこのように話している。

ペンギンについては、今まで通り1日2回の餌付けをルーティンで行っているので、特に変化には気づいていないようです。

また、季節が春になったこともあり、多くの鳥たちがカップリングや巣作りに精を出していて、それぞれ各自忙しいといった感じです。

ただ、施設内にはオウムの種類が多く、オウムは特にフレンドリーなので、もしかしたら「あれ?みんなどこ行っちゃったの?」と思っているかもしれません。人が好きなので、私たち職員の姿を見ると「ハロー!」と大声で挨拶してくれます。

訪問者が1人もいない施設内を静かに散歩するのは、なんだか不思議な感じです。



 施設では、毎年夏にイベントが開催される。この封鎖状態がいつまで続くかは不確かだが、現在職員らはワシやタカなどの鳥を夏のイベントに向けて訓練中だそうだ。



・ウェブカムでペンギンのライブ映像も配信中

 パラダイス・パークも他の施設同様、パンデミックの影響を大きく受けているひとつだ。

施設の経営は、訪問者の入場料で支えられています。オープンして46年間、12月25日と数日の大雪の日以外は、休館になることなどこれまでありませんでした。ですが、今はとても厳しい状況です。(スタッフ)

 動物たちの世話を続けていくため、施設のサイトでは寄付を呼びかけている。

 また、施設を訪れることができないが、同サイトではウェブカムでペンギンのライブ映像も提供している他、Facebookでも日々の動物たちの動画や写真を更新し続けている。

written by Scarlet / edited by parumo
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