歴史ある大聖堂が臨時病院に。コロナ感染者が増加するニューヨークで異例の措置(アメリカ)
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アメリカのニューヨーク市では、コロナ感染者が増加の一途を辿っている。そのため、病院は常にベッド不足で、同市は臨時病院の設置対応に追われている。
マンハッタンにある歴史深い大聖堂も、臨時病院のひとつとして使用されることとなった。現在、400ほどのベッドが運び込まれ、来週にでも隣接するメディカル・センターからの患者を収容する予定だという。
USA: NYC's cathedral to become field hospital amid coronavirus surge
・マンハッタンにある大聖堂が臨時病院に
1892年に設立されたニューヨークのマンハッタン区にあるセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂が、コミュニティへの協力に踏み出した。
"Traditionally, in earlier centuries, cathedrals were always used this way, like during the plague. So this is not outside the experience of being a cathedral, it is just new to us,” Dean Daniel said. https://t.co/C0qGIqfpjJ
— Cathedral of St. John the Divine (@StJohnDivineNYC) April 7, 2020
教会関係者によると、この荘厳な雰囲気を醸し出す歴史あるゴシック様式の大聖堂が、コロナウイルス感染者を収容する臨時の病院に一時的に転身するという。
4月8日、1.8メートル以上ある長い身廊とメインホールからは、信者らのための椅子が全て撤去され、ボランティアたちによって約9つの大型テントと、その下におよそ400のベッドが設置された。
巨大な地下空洞は、医療従事者らのスタッフルームと化し、治療の準備などはそこで整えられるということだ。
クリフトン・ダニエルⅢ牧師は、Twitterに次のように投稿した。
教会の歴史と伝統において、そしてイエスの模範に従い、大聖堂は長い間疫病や地域社会の危機の際には、避難場所や癒しの場所として役立ってきました。
今後は、大聖堂は我々の愛する地域社会、そして地域の市民たちのために、自らの健康を危険に晒して尽力してくれている医師や看護師、ボランティアたちを支援するための手助けをする必要不可欠な臨時病院と化します。
“The Cathedral has been, and always will be, a house of prayer for all people. In the history and tradition of the Church, and following the example of Jesus, Cathedrals have long served as places of refuge and healing in times of plague and community crisis," Dean Daniel said.
— Cathedral of St. John the Divine (@StJohnDivineNYC) April 3, 2020
・隣接したメディカル・センターから患者の一部を収容
セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂の隣の敷地にはマウント・シナイ・ヘルス・システム(Mount Sinai Health System)というメディカル・センターがあり、大聖堂はそこからの患者を一部収容する予定であることを明らかにしている。
また、大聖堂以外にもセントラル・パークやジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターにも臨時病院が設置され、コロナウイルスに感染した患者らが収容されているということだ。
ニューヨークでは、5つの地区に新型コロナウイルスが急速に広がり、現在も感染者数が増加の一途を辿っている状態であることから、市内の病院ではベッドが不足する深刻な医療問題が発生している。
References:New York Postなど / written by Scarlet / edited by parumo